ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
今回も基本的には「自分で乗ってみたい、所有をしてみたいモデル」というのが20台の選考基準。それにしても、これまでの“HOT20”を振り返ると、ポルシェが強いこと強いこと! 確かにこのブランドの場合、「どんなモデルも外れナシ!」というのは常々実感が出来る事柄。ENGINE編集長の“偏執的ポルシェ好き”(?)も加われば、それも「さもありなん」なのか(笑)
実はこれ、購入から7年目に突入の我が愛車。ターボ装着に伴う排気量ダウンと気筒数の削減がセットで進行し、加えて“電動化”も一般的になった今では、「それらと無縁」だった時代のフラット6のスイートさが、改めての感涙モノ。
スーパーカー好きには今ひとつウケが良くない(?)ルックスも、自身にとってはその独創性の高さが初代TT誕生時以来の衝撃だったもの。“大型ミドシップ”なのにサーキットで何とも扱いやすかったのも驚きのマイ・ドリームカー。
実は、これは“GTI”に限っての評価。外板の多くをアルミ化し、メーターやヘッド・ライトも専用品といった内容は、きっと当時のVW会長であるピエヒ氏の肝いりがあったからこそ! このクラスでは2度と生まれ得ぬ贅沢な1台。
過去の名声に頼った話題づくりの“復活”でしょ……なんて斜めに構えつつ、いざ乗ればその痛快・爽快な走りに、たちまち魅了される結果に!
サイズが良い、見た目が良い、価格も嬉しい……と3拍子が揃った上に、走りも上質。エンジンは、ガソリンとディーゼルの良いとこ取りだ!
日本のスポーツカー中でも、“初志貫徹”という点では唯一にして随一! 1トン級の重量も特筆モノ。とにかく「これ以上大きく、重く」ならないで!
タップリ味わえる濃厚な“ガイシャ感”に、ちょっと幅広ながら日本でも行動が制約されないジャストサイズ。「今のボルボは昔と違う」典型例!
カーボン・ボディや“狭幅大径”のタイヤを新作してまで挑んだ崇高なクルマづくりは、今になっても見どころ大。走りの楽しさはさすがビーエム流!
ターボ付きの488へとバトンタッチするも、エンジンが訴える情感は自然吸気のこちらが上。スーパーカーの電動化は、やっぱり悪夢だ……。
“安い・速い・楽しい”と揃って、マツダのロードスターともども“日本の宝”。新型も秀作だが、インパクトが強かったのはやはりこのモデル。
リアル・スポーツカーを慌てさせる走りのパフォーマンスは、紛うことなき「本当のホンモノ!」。4WSの威力がこれほど実感出来るモデルも稀有。
長い歴史の中から「1台のカレラを選べ」と言われれば、行くのはコレ。自然吸気エンジンはこれが“完結形”だし、シャシーも最新版と遜色ナシ!
なんだかんだと言われても“走りの凄さ”に異論なし。しかし、「デビューから12年」はナンボなんでも引っ張り過ぎ。これも日産ゆえの悲哀か。
M2の乗り味が硬派に過ぎることを考えると、最も楽しいBMW車はM240iクーペ。“人車一体感”の濃厚さは、新作3シリーズの比にあらず。
いつの間にやら“ピカソ”の名が消滅も、一線を画すミニバンという立ち位置は変わらず。
世界一美しいVIPサルーンも、エンジン付きで乗れるのはあとわずかか……。
典型的“ロング・ノーズ/ショート・デッキ”のカッコ良さは、現行以上のインパクト。
この価格で、“普通のお店”でFCVが買えるのは、実は「相当凄い」こと!
世界に誇るべき「世界最小スーパーカー」。“軽”の枠で出たのが何とも惜しい……。
今や“世界で当たり前〞のHVも、このモデルこそが出発点。面白半分で買いました。
文=河村康彦(モータージャーナリスト)
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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