2008年に6代目の現行型が登場してから12年、日産フェアレディZの次期型を示唆するプロトタイプがその姿を現した。
歴代Zの意匠を積極的に取り入れた外観はひと目でZとわかるデザイン。フロントに初代S30型を彷彿させる楕円のヘッドライトと四角いグリルを採用したおかげで、とくに初代のイメージが色濃い。リアのモチーフは4代目Z32型だ。鼻先は長くないものの、角度によってはロング・ノーズに見えるなど、Zを演出するワザがあちこちにうかがえる。いずれにしろ、Zファンならずとも多くの人が魅力的に感じる、そんなスタイリングに仕上がっている。ボディ・サイズは全長4382×全幅1850×全高1310mm。全長が120mmほど長くなっている以外は現行型とほぼ同等。ホイールベースの数値は発表されていないが、パッと見た感じでは現行モデルとそれほど変わらないように見える。インパネも往年のイメージを踏襲。中央に配される3連メーターに心躍らせるZファンは少なくないだろう。
「V6ツインターボ+MTを積む」という以外、いまのところ機能面に関するアナウンスはない。ただ一説によると、エンジンはスカイラインと同じ3.0リッターV6ターボのVR30DDTT型が搭載されるようだ。トップ・モデルはスカイライン400Rと同じ400psオーバーの強心臓でハードコア好きを魅了することになるかもしれない。またプラットフォームをはじめとするボディの骨格やシャシーは現行型の改良版になるとのウワサだ。GT-Rの次期モデルも不透明な現在、日産ファンならずとも新型Zへの期待は高まるばかりだ。
文=新井一樹(ENGINE編集部)
(ENGINE2020年12月号)
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