限定20台が瞬く間に完売したというスペシャル・ボルボ、V60 T8ポールスター・エンジニアードに雪上で乗る機会を得た。420psの走りは、果たして雪道ではどうだったか。
今シーズン初の雪上試乗の機会がやってきた。場所は青森県八甲田山、クルマはボルボ。申し込みが遅れたら、4台ある試乗車のうち3台のXCモデルは予約で埋まり、残っていたのはV60 T8のポールスター・エンジニアードのみ。エッ、一番スゴいのじゃないの。どうやら皆さん雪上ならSUVの方が絵になると思ったのか、それともこのポールスターは発売開始とともに20台が瞬く間に完売し、どうせもう買えないからと敬遠したのか。いずれにせよ、まだ乗ったことのない私としては、こりゃ残り物に福とばかりに、喜び勇んで試乗の出発点である八戸行き新幹線に乗り込んだ次第。
市街地にはまったく雪はなかったが、ウインター・タイヤを履いたV60 T8ポールスターで八甲田山を目指して出発。走り出してすぐに感じたのは、「おお、これは今どきのクルマにしては珍しいくらいに、すべてがドッシリとして重厚な乗り味のクルマだなぁ」ということである。ステアリングの操舵感も重ければ、クルマの動きも重厚そのものだ。フロントに横置きされる2リッター直4ターボ+スーパーチャージャーは333psを発生。それに加えて前後に電気モーターを持ち、前輪はエンジン+モーター、後輪はモーターのみで駆動する方式の4WDで、システム総出力はなんと420psもあるというのだが、とてもそうは思えないくらいに良く躾けられたマイルドな乗り味になっている。もちろん、踏めばエンジンとモーターが連携して驚くほど速い、ということは先月号のシオザワ副編の箱根試乗リポートにも書かれていたが、今回は飛ばすのが目的ではない。
やがて八甲田山を上り始めると、いよいよ雪道になってきた。一度降った雪が解けかかったかなり滑りやすい路面だが、微塵も不安を感じることなく走れてしまうのだから驚きだ。
いろいろ試してわかったのは、一番安定して走れるのはコンスタントAWDモードで、ハイブリッド・モードやエコ・モードだと、後輪の電気モーターを多く使おうとするようで、雪道では必ずしも安定して走れない。試しに広場で自動安定装置をオフにしてみたら、どのモードでも滑りまくりだったから、電子制御による手助けが相当効いているのは間違いない。しかし、その介入をまったく感じさせることなく、これだけのハイパワー・モデルにして、雪道でのスムーズな走りを見事に実現していることが一番の凄さだ。これは絶大なる安定感と安心感を持った、ボルボならではの1台だと思った。
文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬
(ENGINE2021年2・3月合併号)
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