イタリアのスーパースポーツカー・メーカー、パガーニ・アウトモビリの最新作「ウアイラ・ロードスターBC」が、輸入元であるスカイ・グループによって日本で公開された。
現在パガーニの製品は、そのすべてが限定車となっており、ロードスターBCもまた40台に生産数は限られ、残念ながら、すでにソールド・アウトの状態。100台限定だったベース・モデルの「ウアイラ・ロードスター」も同様に新車のストックはない。
ならばこの発表会の目的は何なのか。それはパガーニというブランドの存在と、クルマ作りの哲学を、再度日本のカスタマーに訴求すること以外にはありえないのではないか。あるいは近くパガーニから、何らかのニューモデルが発表される序章であるのかもしれない。
今回お披露目されたウアイラ・ロードスターBCは、ウアイラ・ロードスターをベースに製作された高性能軽量バージョン。BCは、1990年代終盤にパガーニにとって初のカスタマーとなったベニー・ケイオラ氏のイニシャルを表している。ちなみに、ウライアはケチュア語で風を意味する言葉であるとされる。以前発売されたクローズド・モデルのウアイラBCは20台の限定生産車であったから、40台というロードスターBCの生産台数は、パガーニにとってはかなり大きなものであると同時に、世界からそれが強く求められていたことを物語っている、
ウアイラ・ロードスターBCのスタイリングは、もちろん最新の、そして世界最高峰のエアロダイナミクスを意識したものだ。オンロードとレース・トラックのどちらでもドライブを楽しめるよう十分な最低地上高を確保しながら、ダウンフォースは280km/h時に500kgが生み出される。モノコックは、もちろんカーボンファイバーとカーボンチタンによる軽量かつ高剛性なもので、従来までのものと比較して、曲げ剛性で20%、捻じり剛性では12%の向上を得ることになった。前後のサスペンションにはボッシュ社の電子制御技術が採用されているという。
リア・ミドシップに搭載されるエンジンは、ドイツのメルセデスAMG社から供給を受ける、6.0リッターのV型12気筒ツインターボをベースとしたもの。最高出力/最大トルクは、それぞれ800ps/1050Nm以上。こちらにもボッシュの電子制御システムが導入され、動力性能のみならず、アメリカ・カリフォルニア州の規制を含む排出ガス規制をクリアする。ミッションはXtrac製の7段シーケンシャルだ。
今回改めて実車のパガーニを見て、パガーニのクルマづくりには一切の妥協がないことを確信した。例えば無数に使われるビスも、最も小さなミリ単位のものにまで、パガーニの文字が彫り込まれていたり、パガーニ・デザインの基調である楕円のモチーフを各部に徹底して使ったりという具合にだ。ちなみに完売している現在においては何の意味もないが、このウアイラ・ロードスターBCの価格は308万5000ユーロ(約3億9488万円)。
かのレオナルド・ダ・ヴィンチの芸術と科学の基礎概念に基づき設計されたという究極のスーパースポーツ・オープン。それだけの価値は十分にあると評価してよいだろう。同時にデザイナーであるオラチオ・パガーニが考えているであろう次作のデザインに、早くも大きな興味が湧いてきた。
文=山崎元裕
(ENGINEWEBオリジナル)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2024.05.06
LIFESTYLE
レコードバーって知ってますか? アナログ・レコードを聴きながらお酒…
2024.05.03
CARS
【エンジン音付き!】新型フェラーリ発表! その名も「12チリンドリ…
PR | 2024.05.07
WATCHES
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」2024年春の新作 …
2024.04.25
LIFESTYLE
McLaren Artura Spider × LANVIN CO…
2024.05.05
LIFESTYLE
著名な陶芸家がかつて住んだ朽ちかけた古民家をリノベーション 古道具…
2024.05.01
CARS
なんてお洒落な! 新車同然(いや新車以上!)の190SLと280S…
advertisement
2024.05.15
是非、ハイラックス・サーフの復活を! 末裔となる新型トヨタ4ランナーがデビュー ランドクルーザー250のお株を奪うカッコよさ
2024.05.12
頭金なし、漢の96回払いで買った14年オチのケイマンと、新車並行でもうすぐ20年のムルティプラ エンジン編集部員のちょっと古い愛車を公開! 愛があればなんとかなる!!
2024.05.12
「走ることが大好きなクルマ通からすれば、正真正銘の天国」 モータージャーナリストの国沢光宏がポルシェ911GT3 RSほか5台の輸入車に試乗!
2024.05.14
「最後のルノー・スポールであり、最後のエンジン車だ!」モータージャーナリストの石井昌道がルノー・メガーヌR.S.ウルティムほか5台の輸入車に試乗!
2024.05.12
釣りも潜りも焚き火もやる人にはこの時計がおすすめ! タグ・ホイヤー アクアレーサー 300m防水でGMTは最強旅時計!