2021.09.05

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「モンブラン」編

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第9弾。モンブランからは蘇った歴史的な名作モデルを取り上げ、時計ジャーナリストの菅原 茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

モンブランという名を戴く100%ミネルバだ

モンブランとミネルバのシームレスな時計づくりが進展するようになってからだいぶ時が経つ。ヴィンテージ感を強調したコレクションには、かつてのミネルバの面影がとりわけ色濃い。愛好家には見逃せない新作のひとつは、歴史的なピタゴール キャリバー 48から着想して、独特の幾何学的な設計を現代に再現する新開発の自社ムーブメントを搭載した「ヘリテイジ」の手巻きモデル。またクロノグラフ好きには「モンブラン 1858」のスプリットセコンドやモノプッシャークロノグラフを用意。どれもメカとデザインにミネルバのレガシーを生かした素晴らしい逸品だ。


 


モンブラン ヘリテイジ ピタゴール スモールセコンド リミテッドエディション148
搭載ムーブメントのキャリバーMB M14.08は、1940年代にミネルバが製作したピタゴール キャリバー48を参考にして自社で新開発され、毎時1万8000振動のロービートと現代的な80時間パワーリザーブを併せ持つ。オリジナル「ピタゴール」は、黄金比を確立した古代ギリシャのピタゴラスにちなんで命名。最新ムーブメントも同様の幾何学デザインだ。1940年代~50年代から着想したヴィンテージ感があふれるブラウンダイアルは、グラデーションや仕上げに凝っている。手巻き。ピンクゴールド、ケース直径39mm、5気圧防水。148本限定。231万3300円。6月発売予定。



モンブラン1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション18
1930年代にミネルバが製作した歴史的なミリタリークロノグラフを再解釈した現行モデルの2021年新バージョンは、金、銀、鉄で構成される特殊合金の18Kライムゴールドを初めてケースに使用。トーンを合わせたダイアルも独特の輝きを放つ。手巻きモノプッシャークロノグラフ。ケース直径44mm、3気圧防水。18本限定。4万9500ユーロ(時価)。

時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!
1990年代にバーゼルの見本市でミネルバを取材した時のことは今でも覚えている。当時のオーナー社長フレイ氏がピタゴールの設計や軍用のアビエーション・クロノグラフについてやけに熱く語り、マニアックなヴィンテージスタイルにミネルバの真髄があると主張していたことを。今のモンブランにそんな精神が再び見て取れるのは、なんとも興味深い。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
これまで搭載されてきたミネルバのムーブメントはクロノグラフが中心だったが、今回の3針の傑作ムーブメント「ピタゴール」が復活したのは時計ファンにとって朗報だろう。1940年代に発表された黄金分割の原理に基づいたレイアウトは、今の時代においても画期的で美しい。148点の限定モデルとのことだが、今後もぜひ展開してほしい。

文=菅原茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2021年7月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

PICK UP



RELATED