2021.11.21

CARS

クルマの常識を超えたクルマ! 究極のドライバーズ・カー、ロールス・ロイス・ゴーストに試乗!!

昨年、ロールス・ロイス初のショーファー・ドリブンのみならず、オーナーが自ら運転する4ドア・サルーンのドライバーズ・カーとして登場した新型ゴースト。その走りは、超高級車の新たな地平を切り開くものだ。エンジン編集部編集長の村上政がリポートする。

これはクルマではない!?

クルマのカタチをしていて、クルマのように走るけれど、実はこれはクルマではない何物かなのではないか。ロールス・ロイスに乗るたびに、いつもそう感じてきた。4つのタイヤが付いたシャシーの上にボディが架装され、その前部にエンジンが載っていて、ギア・ボックスを介してタイヤを駆動して走る、という意味では、自動車であることに間違いないのだが、しかし、その感触はどんなクルマともまるで違っている。



たとえば、まるで裏ごしに裏ごしを重ねたクリームのように、どこまでも滑らかなステアリング・フィール。リムがどんどん太くなり、径がどんどん小さくなる傾向が顕著な昨今の風潮とは一線を画し、いまでも細く大きなままのステアリング・ホイール(それでもひと昔前に比べれば随分と太く小さくなったけれど)が手のひらに伝える感触は、とても機械製品のものとは思えないほどにしっとりと柔らかく、そして人肌に触れているように生々しい。自動車ジャーナリストは様々なクルマの試乗記の中で“滑らかなステアリング・フィール”と書くけれど、ロールス・ロイスのそれに比肩するほど上質なものを私は知らない。これをグイッと切り込むなんてもってのほかだ。一流のショーファーがそうするように、スルスルと送りハンドルで回すべきものであることは、一度触れれば誰しも納得してしまうだろう。

あるいは、“マジック・カーペット・ライド”と賞される、まるで路面の上に浮いて走っているのではないかと思うくらいフワリとして柔らかな乗り心地ときたらどうだろう。路面の凹凸は、トーン、トーンと遥か彼方から小さな響きとごくわずかな振動で伝わってくるだけだ。外界からは完全に遮断された特別な空間が、道の上を高速で移動するイメージ。そういうこの世のものとは思えない異次元のクルマという印象が、とりわけ最高級モデルたるファンタムに乗った時にいつも私が感じてきたものなのである。

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