2022.03.17

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SUV専用設計タイヤの美点が光る、ブリヂストンALENZA「LX100」と「001」を乗り比べてみた

オンロード系SUV用に専用設計されたブリヂストンALENZA。現在、第1弾として2017年にデビューした運動性重視の「001」と、2021年に追加された静粛性や乗り心地といったコンフォート性能に特化した「LX100」という2種類のモデルをラインナップする。今回は、001とLX100にモータージャーナリストの大谷達也氏が試乗し、2つのALENZAに備わるそれぞれの魅力やALENZAの特徴を掘り下げてみた。

プレミアムSUVに似合うタイヤ

“プレミアムSUV用タイヤ”を謳うブリヂストンALENZA。考えてみれば、同じプレミアムカーでもセダンとSUVとでは車重や重心高が大きく異なるので、タイヤに求められる仕様や性能が変わってくる。さらにSUVの中でも、プレミアムSUVはオンロードで使われることが多いので、オンロードでの乗り心地や静粛性、操安性などへの要求レベルが際立って高いはず。その意味でいえば、ALENZAが登場したのは必然的な流れだったといえるし、今後“プレミアムSUV用タイヤ”がさらに注目されるようになっても不思議ではないと思う。

ブリヂストンALENZAは2017年にまず001がデビュー。これはオンロードでの優れた運動性能を重視しつつ、低燃費性やウェット性能、耐久性などにも配慮したコンセプトで注目を集めた。これに続いて2021年2月に発売されたのがアレンザLX100で、こちらは静粛性をいちだんとアップ。さらに乗り心地やSUV特有のふらつきにも対応した製品という。

今回は001をキャデラックXT4に、そしてLX100をシトロエンC5エアクロスSUVハイブリッドに装着し、それぞれの世界観を体験してきたので、ここでご報告しよう。



感動の静粛性を持つLX100

シトロエンC5エアクロスSUVハイブリッドはシトロエン初のプラグイン・ハイブリッド・モデルで、65kmものEV航続距離を誇る。つまり、電気自動車並みに静粛性の高いドライビングが楽しめるSUVだ。いっぽうのアレンザLX100はサイドウォールがゆるやかに湾曲しており、いかにも乗り心地がよさそうに見える。タイヤ踏面に施された繊細なトレッドパターンも、静粛性を重視してこのタイヤが設計されたことを物語っているかのようだった。



実際に試乗したところ、LX100の静粛性は感動的でさえあった。

LX100を履いたC5エアクロスは驚くほどロードノイズが低く、高速道路ではリラックスしてクルージングが楽しめた。その静けさは、長距離ドライブした後の疲労感が大きく変わってくるのではないかと思えるほどだった。

とくに深く印象に残ったのがEV走行時である。エンジンを停止させ、モーターの力だけで走るEV走行の場合、キャビンでもっとも気になる騒音源はロードノイズだろう。LX100を装着したC5エアクロスでは、そうした際のロードノイズがかすかにしか聞こえないので、あたかも新幹線のグリーン車に乗っているかのような静寂の世界を味わえる。まるで、それまでさざ波だっていた心がすっと澄んでいくように思えるくらい、その静けさは奥深く、また心地いいものだ。





LX100はソフトな乗り心地も大きな魅力

乗り心地はソフトで快適そのもの。それでいて路面から入力をスッと収めるダンピングのよさも備えているので、すっきりとして心地いい乗り味を楽しめる。この辺もLX100の最大の特徴といっていいだろう。

これだけ静かで乗り心地がいいタイヤなのに、コーナリングの際に頼りなさを感じなかったことも高く評価すべき。また、ステアリング・レスポンスにもまったく不満を覚えなかった。さすがに本格的なスポーツ・タイヤと肩を並べるほどのコーナリング性能は持ち合わせていないようだが、限界が近づいたことを知らせるロード・インフォメーションは良好なので、ドライバーはより安心してステアリングを握っていられるはず。全般的には快適性重視のタイヤながら、運動性能も犠牲にしていないバランスの優れたタイヤだと思う。





ブリヂストンALENZA LX100の詳しい情報はこちら

001の快適性も極めて上質

いっぽう、キャデラックXT4に装着した001はサイドウォールがしっかりと直立していて、いかにもボディを力強く支えてくれそうな気配に溢れている。4本のストレート・グルーブが強調されたトレッドパターンも本格的なスポーツ・タイヤを思い起こさせるもので、ダイナミックな走りが期待できそうだ。



それでも、001とXT4の組み合わせで最初に印象に残ったのは、やはり快適性の高さだった。路面の段差などを乗り越えたときのガツンというショックが軽く感じられ、それでいてLX100同様、ダンピング性能が優れているので、実にすっきりとして快適な乗り味を楽しめる。極めて上質なコンフォート性能といって間違いないだろう。ロードノイズは、さすがにLX100には一歩及ばないものの、十分に満足のいくものだった。





001のコーナリングは期待以上

コーナリングでの印象は期待以上のものだった。とにかく、コーナーでタイヤがしっかりと踏ん張ってくれるので、安心感がこのうえなく強い。しかも、ステアリングを切った量とクルマが曲がっていく量が常に一定のため、狙いどおりのラインをトレースできるのだ。かすかに操舵したときの反応がおだやかで神経質すぎない点も私の好みだった。





ブリヂストンALENZA 001の詳細情報はこちら

LX100、001とも質の高い走りが楽しめる

ALENZAを履いた2台のSUVに試乗して、タイヤが演じる役割の大きさを改めて痛感した。LX100も001も路面からの衝撃を和らげる効果が強いため、たとえばボディ剛性の不足分をタイヤが覆い隠してくれることもあるだろうし、直接的な振動が足回りに加わったときにブッシュ類がブルブルと震えるのを抑えてくれそうな気がした。つまり、クルマの印象を大きく変えてしまう働きが、ALENZAには期待できるように思えたのだ。



もうひとつ感じたのは、タイヤとクルマのマッチングである。今回、LX100は静粛性が高いプラグイン・ハイブリッド・モデル、001は比較的スポーティな脚まわりを持つSUVと組み合わせたが、結果的にタイヤとクルマの美点が相乗効果をもたらし、どちらも質の高い走りを楽しむことができた。これこそ、プレミアムSUVのために生まれたALENZAの真骨頂といえるものだろう。



ブリヂストンALENZAの詳細情報はこちら

文=大谷達也 写真=郡 大二郎 取材協力=横浜国際プール

(ENGINE WEBオリジナル)

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