2022.03.19

CARS

受注開始から3ヵ月強で計画の10倍売れているというからビックリ! 新型三菱アウトランダーのデキやいかに

新型三菱アウトランダーPHEV

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受注開始から3ヵ月強で計画の10倍となる1万台の予約を受けるという、三菱久々の大ヒット作となったアウトランダーに公道で初めて乗った。自動車ジャーナリストの高平高輝がリポートする。

プラグイン・ハイブリッドSUVのパイオニア


今やすっかり三菱の看板車種となったアウトランダーPHEVは、SUVとしては初めて外部充電も可能なプラグイン・ハイブリッド・システムを搭載したこのジャンルのパイオニアである。一時は世界で最も売れているPHEVとして、これまでに日米欧を中心に約30万台を販売したグローバルモデルだが、先代モデルがデビューした2012年以降、続々とライバルが登場したこともあって新型が待たれていた。



「威風堂々」をコンセプトに掲げるだけあって、一新されたエクステリアはいかにも逞しく迫力満点だが、新しくなったと実感するのはドライバーズ・シートからの眺めである。これまで何度か大掛かりな手直しが加えられてきたとはいえ、もともとの設計年次が古いせいで(初代アウトランダーは2005年登場)、従来型はAピラーやウィンド・シールドの角度、四角い居住空間、高く立ち気味のダッシュボードの形状など、全体的に懐かしいというかちょっと古臭い雰囲気は否めなかった。新型はアライアンスを組むルノー日産連合と共同開発した最新のプラットフォームを手に入れたおかげで、ダッシュボードまわりは一気にモダンに開放的になった。



2.4リッター 4気筒ガソリン(133ps /195Nm)に前後2基のモーターを備える4WDという基本構成は変わらないものの、前後モーターの最高出力はそれぞれ82psから116psへ、95psから136psにパワーアップされ、リチウムイオン電池も13.8kWhから20kWhへ増強、その結果EV走行距離はWLTCモードで87km(Mグレード/先代は65km)に伸びている。見逃せないのは、これまでガソリン・モデルにしか用意されなかった7人乗り仕様がPHEVにもラインナップされたこと。ホイールベースは延長されたが(+35mmの2705mm)、全長はほぼ変わらないので、あくまで緊急用と言うべきサイズながら、リア・モーターとコントロール・ユニットをコンパクトに一体化、さらに新開発の燃料タンクを採用するなどして3列目シートを格納するスペースを生み出したという。

都内近郊の高速道路と一般道、それにクローズドのダートコースを短時間試乗した限りでも以前に増してパワフルかつ静かに走ることは確認できた。7種類もあるドライブ・モードを選択すれば、自慢のS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)機構とツイン・モーターを活かして、滑りやすいダートコースでも車重2トン強もあるSUVとは思えないほどの俊敏な身のこなしを見せる。

新型は居住性や実用性、燃費のうえに走行性能まで、1台に目一杯詰め込んだ欲張りなSUVである。

文=高平高輝 写真=郡 大二郎



(ENGINE2022年4月号)

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