2022.07.05

CARS

樹木希林さんが初代オーナーの2CVも所有する親子のフランス車の愛し方! 乗って面白くて、直しても面白い!!

小田原市内にある歴史を感じさせる畳店の店先に並ぶフランス車たち。

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真っ赤な極上の5アルピーヌ・ターボと、極初期の2CV。マニアならずとも目を惹くレアなモデルたちを肩肘張らずに楽しむ石野さん親子のフランス車三昧の日々は、果たして天国か? 地獄か?

美味しいソーセージ屋さんの2CV

「ブナの木が好きでね。ブナって大体標高1000mくらいのところに生えるんです。じゃあウチの近くだと山中湖だなと、家族で見に行ったんですよ」

城下町の風情を残す神奈川県小田原市。その市内にある歴史を感じさせる畳店の店先で、石野悟さんはそう切り出した。

「そこで見つけた美味しいソーセージ屋さんに2CVが置いてあったんです。実は以前から2CVに乗っていた地元のお肉屋さんから事あるごとに“すごい”って話を聞いてたもので“2CVは速いんですってね”とご主人に話したら、困った顔をされたのが、最初の出会いですね。もう25年以上前の話です」

当時のディーラーである日仏自動車によって輸入されたという70年型の2CV AZ。無数のゴム輪で吊った特徴的なシートについて「純正は硬いので、カブのチューブを切ったほうが、伸びが素直で座り心地がいいんです」とは石野さん。

以来、料理の美味しさと2CVに魅了された石野さんは、足繁くお店に通い、ついにはその2CVを譲り受けることになった。

「ご主人が70年代からずっと乗っていたものだったのですが、そのうち野晒しにされるようになって……。15年ほど前に捨てるという話になったので、譲ってもらいました。最初に見た時から、乗るならこれがいいと思い入れもあったので」

それが今も乗っている1970年型の2CVだ。石野さんの手元に来た時には不動状態だったが、仲間の協力も得て整備して復活。その過程で構造やメンテの方法を学んでいった石野さんは、今ではエンジンのオーバーホールもすべて自分自身で行うまでになった。

「面白いのは、たまに2CVが“なぞなぞ”を出してくるんです。“さぁ、何がどうなってるのでしょうか?”って(笑)。ボルテージレギュレーターが調子悪い時も、1カ月間あーでもないこーでもないと悩みましてね。結果的に懐中電灯の仕組みから接点のクリアランスだと気がついて直ったんですが、絶対解けないような難しいなぞなぞは出してこない。それを解決するのがすごく嬉しいんですよ」

こうして1つずつ問題を解決し、調子良く乗れるようになったのは2年くらい前からというが、石野さんは決して猫可愛がりせず、家族4人で山口県まで出かけるなど、遠出もいとわない。

「425ccで18馬力しかないので、坂道があるとまず逆算するんですよ(笑)。どこから加速してスピード乗せればいいかとか、どこまでスタミナが続くかね。ある意味で自転車っぽい。決して走れないわけじゃないけど、中国道では坂がきつくて30km/hくらいしか出なかったり、軽井沢の坂では歩いているハイカーの皆さんと同じ速度になっちゃったり、色々大変ですけど」



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