2022.05.30

CARS

待っているのは地獄か天国か? エンジン編集部員がちょっと古いシトロエン、エグザンティアを購入!【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#1】

エンジン編集部のウエダと、彼にとって4台目となるシトロエン・エグザンティア(1996年型)。

中古車事情に詳しいエンジン編集部員のウエダが2021年6月、シトロエンのユーズド・カーを購入。ほぼ四半世紀前の、故障の多いとされる油圧サスペンションを備えるエグザンティアだ。走行距離は約16万km、価格は7万円で、しかも内外装は傷だらけという代物である。なんでまたよりによってそんな手強そうな売り物に手を出したのか? かつてちょっとした浮気心でエグザンティアを手放してしまって以来、諦めきれずに延々探し続け、都合4台目でとりあえず満足のいく内容に仕上げることができた彼の17年間の紆余曲折を、まずはご紹介。

念願のクルマがついに納車に!

最初に乗っていたエグザンティアを手放したのがもう17年近く前のことだから、我ながらずいぶん長い間思い続けたものだ。先日雪が降ったのに、長野の空は納車を祝うかのように真っ青だった。目の前には傷一つないブルー・モーリシャスという青いシトロエン・エグザンティアがいる。黒いところは黒く、光るところは光り、姿勢はビシッとしていて26年前のクルマには見えない。鍵を渡され、自分のクルマであることをあらためて実感する。どんなクルマ好きでも納車の瞬間ほど幸せな時はない。これぞまさに天国である。しかもこれまで二度諦め、三度目の正直でやっとほぼ理想通りに仕上げ、ようやく手にすることができたのだ。オーナーの僕の顔がにやけているのも、仕方がないこととどうかご容赦頂きたい。

ホイールはかつての愛車だったアクティバから流用した。マフラーは前オーナーが装着した社外品。

不思議なルノー5

20年近く前、ルノー5(サンク)GTターボに乗っていた頃、主にイタリア、フランスの、いわゆるラテン系小型車を扱うガッティーナというお店が、山中湖のギャラリー・アバルトで開催したイベントを取材した。当時僕はプジョー205やシトロエンAXを乗り継いでいて、一見地味だけど、実は個性豊かなクルマたち、というテーマに惹かれたのだった。205ならホットハッチのGTIより少しスポーティなXS、AXならGTiよりGTやTRSの方が好きだった。そして会場には僕と同じような嗜好の、趣味人たちがやって来ていた。

その中で、自分と同じ5のエントリー・モデルに目がとまった。若きオーナーの名は篠原大輔さん。彼は父親の篠原 勇さんが営む長野のカークラフトという整備工場で働いており、5は初の愛車で一人で手を入れたという。試乗を勧められ走り出すと、操作系も駆動系もなにもかも滑らかな上、高いギアでもするするとなんなく加速していく。中古車にありがちな内装のきしみ音もまったくしない。自分の5GTターボとの違いは明白だった。見た目は綺麗で、いいクルマを手に入れたと舞い上がっていたが、実は完全に整備不足だったのだ。パワーがはるかにあるはずの自分の5GTターボが、実力を出しておらずガサツなことに打ちのめされた。こうして僕と2人との付き合いがはじまった。


当時の愛車ルノー5GTターボ(初期型)と、2台持ちすることになったエグザンティアSX(1台目)。

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