2023.01.15

CARS

ヤフオク7万円・走行約16万kmのシトロエン、ハンドル位置は右から左に変更できるのか!?【エンジン編集部員のシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#13】

エンジン編集部員が隔週連載でお届けするシトロエン・エグザンティアの修理奮闘記(後ろに見える緑のエグザンティアがアクティバ)!

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エンジン編集部のウエダが2021年6月、シトロエン・エグザンティアをヤフー・オークションで購入。価格は7万円、走行距離が約16万kmで、内外装は傷だらけのクルマながら、板金塗装代50万円、部品代70万円、工賃80万円の、計200万円を投じて仕上げることに……。13回目のリポートは、部品取り車のありがたさと、ハンドルの位置を右から左にできないかと、いろいろ画策したことについてご報告する。

理想的な部品取り車

室内の前部のほとんどすべてが外されたリポート車。不具合が発覚した部分を直しながら、1つ1つ部品を清掃し、元あった場所へ戻す作業が続く。

僕にとって2台目のエグザンティア、アクティバの在りし日の姿。

今回の作業で、いちばん頼りになったのは部品取り車となっていた緑色のエグザンティア・アクティバだ。主治医のカークラフトのストックヤードには、リポートの第2回でご報告したとおり、かつて僕が持ち込んだ1997年型のアクティバがまだ保管されていたのである。

補修塗装を何度か受けたとはいえ車体はすっかり色あせ、ホイールをはじめ様々な部品が外されているが、これはただの部品取り車とはちょっと違う。カークラフトで一度すでに手が入り、代車として長く使われ、部品の交換履歴がちゃんと分かっている個体なのだ。

つまり、素性の分かっている部品を流用できることに加えて、僕のエグザンティアに何かオリジナルとは異なる改造がされている場合、いいお手本にもなる。

インターネットを少し検索すれば、クルマにまつわる修理方法はいくらでも出回っている。だから誰でも、クルマを修理しようとすれば、できないことはない。プロアマを問わず、応急的な対処療法の中には、有用なものも多い。けれど作業を行った者が、すべてを正しく理解し、正しい方法で、正しい部品を使って直したかどうかは、誰も判断が付かない。整備履歴が分からない中古車は、だから怖いのである。

ちょっと旧い欧州車のメンテナンスをするには、当然整備書やパーツリストなど資料も重要で、もちろんひとそろい用意されている。けれど、正しい整備を終えた、道しるべが目の前にあれば、こんなにありがたいことはない。

とはいえ仕様がまったく同じではないから、単純に部品が移せる、というわけにはいかない。エンジン(アクティバは2リットル直列4気筒ターボ、リポート車は2リットル直列4気筒・自然吸気)も、変速機(アクティバは5段MT、リポート車は4段AT)も、サスペンション・システム(アクティバとハイドラクティブ2)も、ハンドル位置(アクティバは左ハンドル、リポート車は右ハンドル)も、何もかもが違うから、そのまま流用はできない。製造年も1年だけではあるものの、アクティバの方が新しい。そこは知識と経験がものをいう。

アクティバのエンジン・ルーム。左上のLHMタンクや緑色のスフェアの配置は同じだが……

リポート車のエンジン・ルーム(作業前)。アクティバとはワイパーのレイアウト、ステアリングの取り回し、ターボ配管の有無など違いは明らか。

リポート車の修復作業では、アクティバからイグニッション・キー回路一式をはじめ、空調切り替えフラップ、エアコン・スイッチなどを流用することができた。フラップはアクティバが当時の最上位グレードだったせいか、それとも1年の間にアップデートされたのか、柔らかく変形し脱着のしやすい樹脂製に変更されているなど、整備性も耐久性も向上していた。



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