2023.03.26

CARS

「現時点で、世界最高のディーゼル・カーだ!!」 “甘美”という2文字しか思い浮かばない これがBMWアルピナD4Sグランクーペに試乗したモータージャーナリストの生の声だ!!

BMWアルピナD4Sグランクーペ

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! 「ディーゼルならでは」と「ディーゼルらしからぬ」が共存するBMWアルピナD4Sグランクーペに身も心もとろけるジャーナリストが続出。河村康彦さん、西川淳さん、藤島知子さん、山本シンヤさんの4人は、思わずこう叫んだ!

脱帽ものの上質さ!

ベース車がピュアEVだけになっちゃったら、その時このブランドはどうするのだろう? などと余計な(?)心配をしたくなりもするものの、現在はどのモデルに乗ってもベース車とはまたひと味異なる甘美な走りのテイストに感心と感動を禁じ得ないというのが、このブランドの作品全般に対する自身の印象。というわけで4シリーズ・グランクーペをベースに最近のこのブランドの流儀でさりげなくドレスアップが図られたこのモデルで走り始めると、まずは膝を打たずにいられなかったのが、とてもディーゼルとは信じられないほどに軽やかでフリクションなく吹き上がる心臓のフィーリング。2基のターボがアドオンされた3リッターの直列6気筒ディーゼル・ユニットの仕上がりは、あらかじめ知らされない限りは、大方の人がディーゼルとは気がつかないに違いない。加えて、専用開発されたタイヤを履くその乗り味が、しなやかでフラット感に富んでいてこれもまた脱帽ものの上質さ。乗り終わると結局また、“甘美”という2文字しか思い浮かばなかった。(河村康彦)



世界最高のディーゼル・カー!

このところアルピナの新作を立て続けに試したけれど、B3を超えて所有欲をくすぐるようなモデルはなかった。実はB3と同じくSエンジン(BMW M謹製)を積んだB4グランクーペには期待していた。ところがB3の延長線上にあるかと思いきや、予想に反してこれがスポーティさマシマシの乗り味だった。Mっぽい。本家に遠慮し2ドア・モデルを出さないアルピナにしてみれば、ここで張り切ったモデルを出しておかねば、と思ったのか。そういうワケだったのと、以前B3とD3Sを乗り比べたときB3が圧倒的によかったことを思い出し、このD4Sグランクーペには正直、さほど期待していなかったのだが。驚いた。良い。B3と並んで、でも違ってとても良い。足元の動きにはB4より深みがあり、D3Sより頼り甲斐がある。上質な転がり方に、思わず“ホホーッ”とサンタのように声を上げる。ストレスなく力強く回るエンジンの魅力を味わう余裕も生まれる。フィールもサウンドもディーゼルとはもはや思えない。ターンパイクを流しながら、このクルマは今、世界最高のディーゼル・カーではないかとさえ思った。(西川淳)



本当にディーゼルなの?

4ドア・クーペ・スタイルのモデルとして、スポーツ性と色気を纏うBMW 4シリーズのグランクーペ。BMWではガソリン・エンジンを導入しているが、アルピナ版は直6 3リッターガソリン・ビ・ターボのB4のほかに、直6 3リッターのディーゼル・ターボに48Vのマイルド・ハイブリッド・システムを組み合わせたD4Sを設定している。ディーゼル・エンジンながら、桁外れの最高出力と最大トルクを発揮すると謳っていて、わずか1750回転から2750回転にわたって730Nmの最大トルクが漲る。ディーゼルというだけでも、豊かなトルクを発揮する特性があるのに、そこにモーター・アシストが加わることで、レスポンス良く、かつ力強く、踏んだだけ前へ突き進んでいくイメージ。8段ATとの連携も秀逸で、欲しいだけのトラクションを手にできる感覚だ。それでいて、エンジンの回転の高まりとともに音色が変化し、アクセル・ペダルに力を込める加減でクルマがドライバーの意図を繊細に汲み取る。ゆったりとも、アグレッシヴにも車両挙動を操れる感覚は、「本当にディーゼル車なの?」と不思議な感覚に包まれる。(藤島知子)



乗らなきゃよかった!?

エクステリア/インテリアはアルピナの作法に則った変更が行なわれているが、4ドア・クーペの流麗なスタイルとのマッチングはD3S以上だと思う。パワートレインは3.0リッター直6ターボ・ディーゼル+48Vマイルドハイブリッドの組み合わせ。どの回転域からでも瞬時に湧き出るトルク、滑らかな回転フィールと伸びの良さなど、「ディーゼルならでは」と「ディーゼルらしからぬ」が共存する。箱根ターンパイクは全線1500rpm以下で走れてしまう実力だ。フットワークは一般道や高速道路では穏やかな操舵特性や大径・扁平タイヤ装着を忘れる優しい足さばきなど格上のプレミアム・セダン顔負けの上質かつ繊細な乗り味だが、ワインディングでは格上のリアル・スポーツカー顔負けの俊敏で一体感あるハンドリングに化ける。パワートレインのパフォーマンスに合わせてAWDを採用するが、それを感じるシーンは一切なかった。この「アルピナマジック」と呼ばれる二面性を持った乗り味は、電子デバイスとの融合でより鮮明に。結論は「乗らなきゃよかった」、本当に欲しくなってしまったので。(山本シンヤ)

写真=小林俊樹/神村 聖

(ENGINE2023年4月号)

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