2023.03.24

CARS

「軽さは正義だ!!」 ジムニー用の658cc3気筒ターボがパワフルなエンジンに大化け! これが、車重がたった440kgの「ケータハム・セブン170R」に試乗したモータージャーナリストの生の声だ!!

ベースの170Sは窓と幌とサイド・ドア付きだが、試乗車の170Rはすべてを廃したスパルタンな仕様。

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! 真冬の寒さをものともせず(笑)、あまりの楽しさにニヤケっ放しのまま顔が凍るジャーナリストが続出。嶋田智之さん、桂伸一さんの2人は、思わず叫んだ!

顔面が寒い、というか痛い!

顔面が寒い、というか痛い。凍てつく大気はニット帽の糸と糸との細かな隙間からジワジワ侵入し、このまま走り続けたら次第に頭が痛くなってくるだろう。だけど僕は妙に幸せな気分で、アクセル・ペダルを踏みつける右足を緩めることができなかった。楽しくて仕方ない。ヤバイくらいに楽しいのだ。これがセブンの魔力なんだとさんざん経験してきてわかりきっているはずなのに、どうしても逃れることができない。マスというものをいっさい感じさせない鋭い加速感と、長いノーズを苦もなく素早く自分が望むコーナリング・ラインに載せていける感覚は、セブンの何物にも代えられない宝物だ。おまけにこの“R”にはLSDが標準で備わっていて、後輪遊泳だって堪能できる。と書き連ねた文字だけ読むと、さぞかしパワーのあるエンジンを積んだモデルなんだろうと思われるかもしれないが、排気量658ccの軽自動車、パワーは85psでトルクは116Nmに過ぎない。セブンの基本設計の見事さと、何よりドライで440kgという軽さによるものなのだ。そう、軽さは正義、なのである。(嶋田智之)

軽自動車登録が可能なケータハム・セブン160のアップデート版が170。スズキ製の新エンジンへ換装されただけでなく、リア・サスペンションを中心に様々な改良がされた。ベースの170Sは窓と幌とサイド・ドア付きだが、試乗車の170Rはすべてを廃したスパルタンな仕様。

軽のエンジンとは別物のパワフルさ!

「まるでクルマの遊園地だぁ」と思えた今回の大試乗会。その38台の中でも最も楽しい1台はどれか!? と聞かれたら、羨望のモデル群を差し置いて迷わず170Rと答える。車重わずかに440kg。ケータハムの元、ロータス・セブンの生みの親、コーリン・チャップマンが目指した“軽量で簡素な構造”の理念に立ち返る170R。ステアリングを操作すれば、まるで自分を中心に曲がる感覚。後輪の直前に座るから駆動のグリップもスライドも目視するかのように直感で得られ対応しやすい。エンジンはスズキの3気筒660ccターボだが、85ps/116Nmまでチューンされたそれは、軽のエンジンとは別物のパワフルさ。超軽量車体ゆえに、動き出しから無抵抗に軽く1、2、3速は7000rpmのレブカットに瞬時に飛び込む。シフトなんて1、2速の縦列だけで50mmほどの超クイック・ストロークで小気味いい。前ガラスが無いため走行風は乗員を直撃。乗り味は峠を攻めている時は問題ないが、高速移動ではクルマの振動、路面からの振動も入る。風も音も匂いも含めてあらゆる事が体感できる、まさに遊園地のクルマだ。(桂伸一)

写真=神村 聖

(ENGINE2023年4月号)

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