約7年前、本誌2018年2月号でもエンジン中古車探検隊が訪れた、横浜都筑区にあるバランスのショールーム。当時は店の向かって右半分にはジャガーやデイムラーが、残りの左半分にはオープンカーたちが並んでいたが、今回は店内および店外のすべてがオープンカーで、しかも4座のカブリオレばかりだった。
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連載『エンジン中古車探検隊』が、オープンカー特集の番外篇として臨時に復活。さっそく一行が向かったのは7年前にも訪れた、横浜の某専門店だった。
ウエダ いやはや、久し振りに戻ってきました、エンジン中古車探検隊。今回は巻頭特集と連動してオープンカーの物件を探ってみたいと思うのですが……。
ワタナベ まぁ冬こそオープンカーというのはわからんでもない話だよね。特に東京にいると、5月から11月はちょっと開けたくない感じだもんなぁ。そもそも暑いし。
アライ えっ、ナベさんやたらオープンカー乗ってきてるのに、半年しか屋根開けてないんすか?
ワタナベ うん。その半年の中でも数日くらいかなぁ。なんかお調子者にみられそうじゃん、東京だと。
アライ もったいない……。といっても、確かにイキってる感じにみえますしねえ。僕も仕事でオープンカー借りた時は山の中での撮影以外は閉めっぱなしだもんなぁ。
ワタナベ だから、今回はフル4シーターのオープンカーを探ってみようと思うわけ。フル4シーター系って、得てして元ネタもゆるキャラなクルマだったりするから、力みがあんまりないじゃない。
ウエダ そんなわけで今回は、そんなオープンカーを積極的に販売しているお店、横浜のバランスさんに来てみました。
アライ あれ、こちらのお店って、以前デイムラー・ダブルシックスを見に来たところだよね。
ウエダ それが今、ダブルシックスはとにかく店頭に並べられるような販売車が少ないわ、あれば並べる前にお客さんが決まっちゃうわで、お店の体として扱えるものではなくなってしまったそうなんです。
ワタナベ モノが収まるところに収まっちゃってる一方で、クルマを扱えるメカさんの高齢化もあったりして、今はジャガー&デイムラーは代表の熊谷正興さんの個人的なネットワークで面倒をみていらっしゃるんだって。で、お店の方は息子さんの泰徳さんがフル4シーター・オープンを主力にした品揃えで継続されているという。
アライ なるほど。そういうことだったんですね。
ウエダ ちなみに正興さんもフル4シーター・オープンがお好きで、以前はメルセデスのA124を3台乗り継がれたそうです。今の愛車は初代ボルボC70のカブリオレとか。
↑ボルボC70の内装写真はこちら
■ボルボC70 C5 GTラグジュアリー・パッケージ
2011年型。ブラック・サファイア・メタリック/カルサイト・クリーム。右ハンドル。5段AT。1オーナー。走行4.3万km。176万円。
ボルボの2ドア・モデル、C70はボルボが英TRWと共同開発した初代(1996年~)と、ピニンファリーナ(およびその子会社)が関わった2代目(2006年~)が存在する。初代はクーペと幌屋根のカブリオレが存在したが、2代目はリトラクタブル・ハードトップのみに。取材車両は2代目の途中でフェイスリフトされた後期モデル。現行のボルボにもカブリオレは存在しない。
ワタナベ そして店内には2台も2代目C70のカブリオレの売り物が。自分的にはこれ、意外と好きだったんだよね。
アライ ほう。どこがよかったんですか?
ワタナベ 内装のデザインとかシートの掛け心地とか機能的なところはもちろん、ルーフが3分割で構成されているから、Aピラーの角度がおおらかなんだよね。メタルトップのオープンって、2分割ものが多いからAピラーがどうしてもキャビン側にぐっと傾けられてて開放感がないというか窮屈というか……。
アライ ああーなるほど。それわかります。E90系の3シリーズとかF30系の4シリーズとかのカブリオレも、3分割ハードトップでクローズ時の佇まいが綺麗でしたもんね。
ウエダ しかしリトラクタブル・ハードトップ系のオープンカーって、今ではすっかりなくなっちゃいましたね。
ワタナベ 絵面というか風情というか、そういう情緒的な点では幌屋根にはかなわないよね。
アライ 耐候性や気密性なんかもメタルトップに匹敵するくらい進化しましたしねえ、幌屋根も。
ワタナベ となると、気持ち的な護られ感みたいなところがメタルトップの強みかな。クーペ状態に主軸を置きたい人にとってはあって嬉しい選択肢なんだと思う。
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