【全2回の(前篇/後篇)の前篇】
犬好きのクルマ好きを探して訪れたのは関西の芦屋周辺。ライフスタイルにクルマとワンちゃんは欠かせないという方の5台と11匹が集まった。愛犬の可愛がり方に地域性があるわけではないだろうが、ワンコを愛車に乗せて向かう先は、住んでいるエリアによって異なる。関西・芦屋の周辺ではどうなのか? を現地で聞いてみた。
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集まったのはSUVが3台に大型セダン1台とオープン1台
兵庫県芦屋市。神戸市と西宮市の間に位置し、六甲山と海岸線に近く、美しい自然環境と都会的な利便性が見事に融合しているところだ。

大切にしているクルマに愛しいワンコを乗せ、一緒に山に行くのも、海に行くのも、いずれも気軽に楽しめるので、クルマ好き、ワンコ好きにとって暮らしやすいエリアといえる。
少し足を伸ばせば風光明媚な淡路島があり、さらに走れば日本最大の淡水湖である琵琶湖もある。奈良や三重の緑深き山々も近い。なんとなれば岐阜や鳥取あたりも、ワンコと一緒に行けるエリアだ。
今回、実は奈良から芦屋まで走って来てくれた愛犬家もいたのだが、ワンコと出向くエリアを尋ねてみると、愛車を駆って和歌山に行くことがある、と話してくれた。

集まったクルマはSUVが3台に大型セダン1台と、オープン2座スポーツカーのマツダ・ロードスターというラインナップ。ロング・ドライブ時もワンコと人が快適で、かつ愛犬を乗せやすく、ワンコ用グッズやドッグ・カート、さらにアウトドア用品などの積みやすさを優先し、それぞれのオーナーが用途に合う最適な愛車をセレクト。なおロードスターの主も、状況によりトヨタ・アルファードを活用する。つまり全愛犬家に共通だったのは、あくまでも「ドッグ・ファースト」という点だ。
特に印象的だったのは介護が必要な大型犬のためにと、ワンコも人も負担が少なくなるようSクラスを選択した森夫妻。これぞまさにドッグ・ファースト、と心底感心してしまった。
ワンコ・グッズが多いときはアルファードも出動
さてまず最初に紹介するのは、週末は六甲のワインディングも走るというマツダ・ロードスターに乗る陽介さん&佐和子さんとマロン(ビションフリーゼとトイプードルのミックス)。

ロードスター・Sスペシャルパッケージを買ったことで若い頃にバイクで通っていた六甲山に再び行くようになり、峠道を走っているという陽介さん。愛犬とのドライブも満喫中だ。
「ずっとSUVにばかり乗っていましたが、久しぶりに、純粋に運転することが楽しいと感じている今日この頃です」
そのように話してくれた陽介さんは、過去に三菱パジェロ、ジープ・チェロキー、トヨタ・アルファード(2008年型)を愛用し、現在、3年前に購入したロードスターおよびアルファード(ともに2015年型)という2台体制にて愛犬マロンくんとお出かけしている。

「ロードスターは初代ユーノスの頃からいつか乗りたいと思っていました。職場が遠隔地に移転することになり、クルマ通勤が可能になったので購入することにしました。趣味性が強いクルマなのであきらめていましたが、いましかない! と思って悩んでいたところ、家内が背中を押してくれました。オープンカーですが、トランクに積載可能な最小サイズのドッグ・カートを見つけ、常備しています」
アルファードは奥さまの佐和子さんも運転
「クルマは道具でもあり、趣味でもあります。ロードスターは通勤とドライブに使っており、そのうち信州に長期滞在し、長野の道を堪能したいと思っています。撮影用のワンコ・グッズが多いときはアルファードも使い、家内も運転します。鶴見緑地や貸し切りにしたドッグ・カフェで愛犬の撮影会を実施していることもあり、マロンは毎週末クルマに乗っていますね」
知り合いのカメラマンが岐阜にいて、鳥取の大山などまで行くこともあるそうなので、これからも愛車たちの走行距離が順調に伸びそうだ。

家族の一員であるマロンくんは現在7歳。愛車を車検に出し、普段通らない道を歩いていたときに、以前から気になっていたブリーダー直営店に立ち寄ってみたらマロンくんがいて、一目惚れしてしまったそう。枕もとでスヤスヤ眠ってくれるのだという。小型で賢く、毛が抜けにくいので、愛犬の安全を十分確保しながらロードスターにも気軽に乗せている。