2025.11.12

CARS

小規模モデルやカスタマイズを統括する工房が誕生!【マセラティ&アルファ・ロメオ】歴史的な資産を統合へ

マセラティとアルファ・ロメオの往年の名作が蘇るかも?

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「マセラティ」と「アルファ・ロメオ」が、共同プロジェクトの“ボッテガフォーリセリエ”を始動。この名称は、特別仕様を手がける工房を意味する。

歴史的なモデルのリバイバルも予定!?


エミリア- ロマーニャ州モデナ、ロンバルディア州アレーゼ(ミラノ郊外)、ピエモンテ州トリノといえば、それぞれマセラティとアルファ、そしてフィアットの本拠地であり、この北部3州は自動車メーカーが集中するイタリアのモーターバレーといえる。



このエリアでもとくに長い歴史を持つ2ブランドが、ジャンルを超えてイタリアン・ブランドの振興を図るアルタガンマ財団の後援で立ち上げたのが“ボッテガフォーリセリエ”だ。



掲げるテーマは、ボッテガ/フォーリセリエ/ラ・ストーリア(ヒストリー)/コルサの4つ。それぞれの中身を見ていこう。

“ボッテガ”は工房の名のとおり、量販車の限界を超えた少量限定車を製作する部門。これまでもアルファ・ロメオは「33ストラダーレ」、マセラティは「MCXトレマ」といったフューオフ・モデルを個別に製作しているが、今後はこの“ボッテガ”部門がそれを手がけることになる。

“フォーリエセリエ”部門はこれまでどおり、量産車のパーソナライゼーションを担当。専任のデザイン・チームは、各ブランドの流儀に従いつつクリエイティブな新基軸を探り続け、ビスポークな1台に仕立てていく。



“ラ・ストーリア”は、アーカイブやミュージアムの運営・管理とともに、レストアや認証も手掛ける。気になるのは、ここで歴史的なモデルのリバイバルに言及していること。英国ブランドが展開するようなコンティニュエーションが登場するのか、だとしたらどのモデルが復刻されるのか、目が離せないところだ。



そして“コルサ”は、モータースポーツで得られたノウハウを、市販車向けエンジニアリングへと落とし込む役割を担う。欧州GT2シリーズなどではマセラティ・コルセが成功を収めており、その知見をスーパー・スポーツカーに活かそうという狙いだ。

昨今、ハイエンド・ブランドの多くがワンオフやフューオフ、カスタマイズ、クラシック・モデルやモータースポーツとの連携プログラムで富裕層取り込みを図っている。

巨大グループではありながら、この分野はほぼ未着手のステランティスだけに、傘下の歴史あるブランドを有効活用し、トレンドに追随したいところだろう。

また、“ボッテガフォーリセリエ”の成功で存在感を高めれば、マセラティやアルファ・ロメオはつきまとう身売りの噂を一蹴することができるはず。今後の展開に注目したい。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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