2025.12.02

CARS

【トヨタGRの新型モデル発表直前】GRの前身G's誕生のきっかけや販売されたモデルを振り返る

こんなモデルもあったのか!歴代G'sを振り返る

全ての画像を見る
トヨタのスポーツカーシリーズ「GR」。このシリーズには、前身となる「G's(G Sports)」が存在していた。コンパクトカーからミニバンまで幅広くラインナップされていた「G's」は、どのような経緯で誕生したのだろうか。

レース参戦や車両開発などの活動で追求した「クルマの味」を届けるために誕生したG's

トヨタのスポーツカーシリーズとして2010年に登場したG'sは、レース参戦や車両開発などを行っているGAZOO Racingの活動を通じて追求してきた「クルマの味」をより幅広いユーザーに届けるために誕生したスポーツ・コンバージョンモデルだ。

G'sマークX

G'sは、「自分だけのクルマ」を所有することに強いこだわりを持つユーザーに、個性が際立つ内外装デザインやスポーティな走りを持つクルマを届けるために、従来のカスタマイズメーカーによる委託開発ではなく、トヨタが自社で開発していることが特徴となっている。

G'sハリアー(インテリア)

具体的には、ベースとなるクルマに専用のエアロパーツやスポーツシートといった内外装部品、スポーツサスペンションなどを架装。特に「走りの味」に対するこだわりが強く、レクサスLF-Aでのニュルブルクリンク24時間レースへの参戦や、iQをベースにした「GAZOO Racing tuned by MN(略称:GRMN)」を開発したGAZOO Racingのテストドライバーが専属でチューニングを行い、操る楽しさを追求したモデルとしている。

また、架装工程の一部を生産ラインで取り付けることにより、コストを下げ、手が届きやすい価格で幅広い人に「走りの味」や「クルマの楽しさ」を提供しているのもG'sの特徴だ。

GRの前身トヨタのスポーツ・コンバージョン・シリーズ「G’s」のバリエーション

G'sは、コンパクトカーやセダンだけでなく、SUVやミニバンなど、さまざまなモデルで展開されていた。ここでは、G'sのバリエーションと走りに対するこだわりを紹介する。

G'sノア/ヴォクシー

2010年6月にG'sシリーズ第1弾として発売されたのがノア/ヴォクシーだ。

G'sヴォクシー

ノアの上質感とヴォクシーのスポーティさを活かしながら、ローフォルム化し、専用の前後バンパーやグリル、デュアルスポーツマフラーなどを採用しているのが特徴となっている。

G'sノア

また、LEDイルミネーションビームやG'sエンブレム(フェンダー、バックドア)の装着などにより、独特な存在感を放っている。

G'sヴィッツ

2011年10月にG'sシリーズ第2弾として発売されたのがヴィッツだ。

G'sヴィッツ

G'sヴィッツでは、コイルスプリングやショックアブソーバーに専用チューニングを施したサスペンションを採用。また、パフォーマンスロッドや溶接スポット点数の追加により、ボディ剛性を向上させるとともに、床下を整流して優れた操縦性を実現する空力パーツを各所に配している。

その他にも、高剛性かつ軽量の専用17インチアルミホイール、高性能タイヤを装着することで、リニアな操舵フィーリングを実現している。

G'sプリウス

2011年12月、G'sシリーズ第3弾となるプリウスが発売された。

G'sプリウス

プリウスのSグレードをベースとしたG'sは、ツーリングセレクションの装備に加え「走りの楽しさ」や「操る喜び」を追求するため、サスペンションのチューニングやスポット溶接打点の追加など、メーカーだからこそできる変更が加えられている。

G'sマークX

2012年10月、スポーティなFRセダンのマークXのG'sが発売された。

G'sマークX

G'sマークXでは、これまでのG'sシリーズと同様に、スポット溶接打点の追加やサスペンションのチューニング、床下の気流を整流して操縦性を高める空力パーツの採用などにより、安定感のあるドライビングとFRならではのスポーティな走りを特徴としている。

G'sアルファード/ヴェルファイア

2012年11月、高級ミニバンであるアルファード/ヴェルファイアのG'sが発売された。

G'sアルファード

ミニバンの既成概念を打ち破る「走りの楽しさ」を追求したG'sアルファード/ヴェルファイアは、全高を約30mmダウンさせた専用チューニングのサスペンション、床下の剛性アップパーツ、スポット溶接打点の追加などにより、ボディ剛性の向上とスポーティなスタイリングを両立させていることが特徴だ。

G'sヴェルファイア

また、専用空力パーツによる安定した操縦性と、ブレーキキャリパーの変更により、安心感ある走りを楽しむことができる。

G'sアクア

2013年12月、ハイブリッドコンパクトカーのアクアにG'sが設定された。

G'sアクア

G'sアクアは、サスペンションのチューニングやスポット溶接打点の追加、専用17インチアルミホイールなどにより、ボディ剛性の強化とスポーティな走りを実現している。

G'sアクア(インテリア)

また、専用の内装・外装により、スポーティさと特別感を演出しているのもG'sアクアの特徴だ。

G'sハリアー

2015年1月、ラグジュアリーSUVハリアーのG'sが発売された。

G'sハリアー(走行イメージ)

G'sハリアーは、全高を約35mmダウンさせた専用スポーツサスペンションに加え、床下剛性アップパーツやスポット溶接打点の追加などによりボディ剛性を向上させたほか、ブレーキにG's専用キャリパー(フロント)や高μ(ミュー)パッドを採用することで、制動力を向上させ、スポーティで安心感のある走りを実現している。

G'sプリウスα

2015年2月には、ハイブリッド専用ワゴンのプリウスαのG'sが発売された。

G'sプリウスα

G'sプリウスαでは、専用スポーツサスペンションの採用により全高を約15mmダウンさせたほか、床下の剛性アップや空力パーツの装着により、本来の環境性能を維持しながら上質感とスポーティさを両立する走りを実現している。

スポーツ・コンバージョン・シリーズ「G's」は「GR」へ

2010年から2015年まで、8車種で展開されたG'sシリーズは、2017年に「GR」となった。

GRカローラ

GRシリーズは、エンジン内部までチューニングを施した数量限定販売モデルの「GRMN」を頂点に、量産モデルの「GR」、気軽にスポーツドライビングを楽しめるスポーティグレード「GR SPORT」、カスタマイズを楽しめるアフターパーツの「GR PARTS」を展開している。

GRヤリス

2025年12月初旬に発表されるのは、量産モデル「GR」の新型車。どのようなモデルが発表されるのか、今から楽しみだ。

文=齊藤優太(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)
タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement