2025.11.29

CARS

まるで生き物のようなV12エンジンの息吹を全身で味わう!日本上陸したフェラーリの新旗艦「12チリンドリ」に乗る

2024年5月にデビューした「ドーディチ・チリンドリ」にいよいよ日本の公道上で試乗。

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すぐ前にいる生き物の息吹

12チリンドリとの1日のドライブ。次にいつ訪れるかもわからない、貴重で、幸せな時間。私は、自らの五感のすべてを研ぎ澄ませて、このクルマを味わい尽くしたいと思った。

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一般道を少し走って、高速に乗るまでには、これよこの感じ、とルクセンブルクで乗った時に五感で受け取った感触が、私の中に甦ってきた。

ペダルを踏み込んで行った時のレスポンス、ステアリングを切り込んでいった時のクルマの動き、すべてが自然かつスムーズで、引っかかるところがない。

一昔前の12気筒フェラーリは、操作に対するレスポンスがピーキーだったし、それでいながら、鼻先が曲がり始めてからドライバーが動きを感じるまでに一瞬の間がある感じがしたが、このクルマにはそれがまったくない。ホイールベースが812より2cm短くなったことと、後輪操舵が付いたことが、大きく寄与しているのかもしれない。

乗り心地も抜群にいい。スポーツカーらしい硬さは持っているものの、特に可変ダンパーのモードをバンピー・ロードに切り替えて、柔らかい設定にしなくても、十分に快適なツーリングを満喫することができる。

フロントの奥深くに押し込まれた、ご本尊の6.5リッター 12気筒ユニット。

そして、何よりも五感を刺激してくれるのは、車名にもなっている6.5リッターV12気筒エンジンである。830ps、678Nmのパワー&トルクを持ち、最高許容回転数が9500rpmという超高回転型であるにもかかわらず、2000rpmも回していれば、十分なトルクでクルージングできる。

その時でも、すぐ前にいる生き物の息吹が感じられるが、そこからスロットルを開けていった時のスムーズな吹け上がりと、回転数が上がるに連れてサウンドが変化していく様は、それ自体がドラマとしか言いようがない。

とりわけ、7000rpmを超えたあたりからのクォーンという雄叫びは圧巻だが、それを聞くには、ギアを下げ、覚悟してペダルを踏まなければならない。

12チリンドリに乗ることは、最良のイタリア・オペラを見るようにドラマティックで刺激的な体験なのだ。

■フェラーリ12チリンドリ
駆動方式 フロント・ミドシップ縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4733×2176×1282mm
ホイールベース 2700mm
車両重量(車検証) 1770kg(前軸850kg、後軸920kg)
エンジン形式 直噴V型12気筒DOHC
排気量 6496cc
ボア×ストローク 94.0×78.0mm
最高出力 830ps/7750rpm
最大トルク 678Nm/7250rpm
トランスミッション 8段DCT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式カーボンセラミック・ディスク
タイヤ (前)275/35ZR21、(後)360/30ZR21
車両本体価格(税込み) 5674万円

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=望月浩彦

(ENGINE2026年1月号)
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