2021.09.11

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「ショパール」篇

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第14弾。ショパールからは、自社ムーブメント25周年を祝う記念碑的なモデルを通して、時計ジャーナリストの菅原茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

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マニュファクチュール設立25周年を記念する

今年は、ショパール マニュファクチュールを1996年にジュラ山脈のフルリエに設立して、自社ムーブメントのキャリバーL.U.C 1.96を世に送り出してから25周年。ショパールは四半世紀の間にさまざまなL.U.Cムーブメントを開発して機械式高級時計に揺るぎない地位を築いた。25年の果敢なチャレンジ精神を称えた限定モデルの「L.U.C クアトロ スピリット 25」は、マニュファクチュールでは初となるジャンピングアワー。また、厳格な品質基準のカリテ フルリエを満たす「L.U.C QF ジュビリー」のステンレススティールによる初のモデルも愛好家必見の逸品だ。





 L.U.C クアトロ スピリット 25
ショパールは、2組の積載式ツインバレルによる4個のゼンマイで約9日間も駆動する手巻きムーブメント「クアトロ」を1998年に開発。新作はその発展形のL.U.C 98.06-Lを搭載したコレクション初のジャンピングアワー。6時位置にジャンピングアワーの窓、センターに分針を置くホワイトダイアルは、古典的なグラン・フー・エナメルで仕上げられ、懐中時計を模したケースは18Kエシカルゴールド製。ケースバックはダイアルと同様にミニマルながら美しい仕上げ。しかし、このブリッジの下に2組のツインバレルが搭載されている。直径40mm、30m防水。世界限定100本。562万1000円。今夏発売予定。
 


L.U.C QF ジュビリー
スイス公式クロノメーター検定局(COSC)とカリテ フルリエ(QF)の認定を受ける最高クラスの精度と品質を誇る機械式時計が初めてステンレススティールで登場。50年代風のヴィンテージデザインも味わい豊か。自社製自動巻きL.U.C 96.09-L、65時間パワーリザーブ。ケース直径39mm、30m防水。世界限定25本。182万6000円。

時計ジャーナリスト・菅原茂はこう見た!
ショパール マニュファクチュールを初めて取材したのは、L.U.C1.96を搭載した初のモデルがバーゼルでデビューした1997年。当時の小さな工房も今や自社ムーブメントを製造する拠点に発展した。記念モデルの「L.U.C QF ジュビリー」がわずか25本の限定なのは惜しまれる。どこを探しても手に入らない幻の逸品となるのはおそらく間違いなし。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
ショパールマニュファクチュール25周年を記念して登場したのは、ジャンピングアワー! ピュアホワイトのエナメルダイアルの小窓から表示される時刻と分針はミニマルの美の極み。それでいてケースの中には4つの香箱を備え、8日間のパワーリザーブを誇るムーブメントを備えるあたりに、美しさと機能性を追求するショパールのこだわりが感じられる。

文=菅原茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2021年7月号)

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