「ジャズマスター」や「カーキ」など多岐にわたるコレクションに幅広く新作を投入するハミルトンだが、今年の目玉 はブランドの根幹にあるアメリカンクラシックの歴史的名作の中でも特別な位置を占める世界初のLED式デジタルウォッチの復刻だ。宇宙もののSF映画に登場するような当時最先端のデザインは、まさにレトロフューチャーの人気 が再燃する現在にぴったり。今はモデル名が「ハミルトンPSR」と変更されているが、3Dスキャン技術を駆使して 1970年の「ハミルトン パルサー」のケースやブレスレット が忠実に再現された復刻モデルの完成度には目を見張るものがある。
現代のデジタルクオーツムーブメントは、時刻表示が常時点灯になり、3時位置のプッシャーは時刻表示の明るさ調整用に。18Kゴールドで発表された初期モデルの雰囲気をイエローゴールドPVDステンレススティールで再現するモデルは1970本限定で特製ボックス付き。税別12万円。下は非限定のステンレススティールモデル。税別9万円。ともにケース縦34.7㎜ ×横40.8㎜、10気圧防水。6月発売予定。
ハミルトンの「スパイキー H」ロゴを模してカットアウトされたダイアルがユニーク。スケルトン用に装飾仕上げされたハミルトン専用ムーブメントのH-10-Sは、自動巻きでパワーリザーブ最大80時間。ステンレススティール、ケース直径40㎜、5気圧防水。税別14万5000円。6月発売予定。
「ハミルトン パルサー」誕生50周年。1970年当時をリアルに懐かしく思える人はすでにそれなりの熟年層だろう。自分もその一人だ。機械式は終わり、時計の未来はクオーツとデジタルにあると叫ばれた時代の象徴がこのモデル。しかし今になって新鮮に思えるのは不滅のデザインゆえだ。
発表された1970年代、そしてヴィンテージブームで沸いた90年代も大人気だった「ハミルトン パルサー」が待望の復刻! LEDの劣化を懸念してオリジナルを買えなかった人にとっての朗報であるのはもちろん、一目惚れする人も続出すること間違いなし。ゴールドは即完売の予感。
文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター) (ENGINE2020年7月号)
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