アジア勢の台頭が目覚ましいアメリカ映画界において、今年、注目すべき監督のひとりがリー・アイザック・チョン。韓国系アメリカ人である彼の作品『ミナリ』が、今年度のアカデミー賞で6部門の候補に挙がっている。
監督の幼少期の体験を基にした本作は、アーカンソー州の田舎でトレーラーハウスに暮らす、韓国人移民の家族を描く。農業での成功を夢見る父親と、夫の選択に不満な母親、そして幼い長女と長男で、そこに韓国から呼び寄せた祖母が加わる(花札しか得意でない、この破天荒な祖母が最高だ)。だが一時は順調に行くかに見えた農業は思わぬ困難に見舞われ、家族の関係に暗い影を落としていく。
時代はパソコンもスマホもなかった80年代。彼らが暮らす荒れ果てた土地の周りには、店はおろか民家さえない。そんな厳しい環境の中、幸せを求めて奮闘する家族の姿が、監督自身の幼少期を懐かしむような、温かな視点で綴られていく。
ちなみに本作はアメリカ映画でありながら、セリフのほとんどは韓国語である。監督の生い立ち同様、ひとつの国の文化・価値観に縛られない、普遍的でエモーショナルな家族の絆の物語として必見だ。
■ミナリ
プロデュースも兼ねた主演のスティーヴン・ユァンは、人気TVシリーズ『ウォーキング・デッド』で大ブレイク。アメリカ映画ながら韓国語のセリフが多いため、先のゴールデン・グローブ賞では外国語映画賞の扱いとなり物議を醸した。監督のリー・アイザック・チョンは現在42歳。この映画の大成功で、日本の大ヒットアニメ『君の名は。』のハリウッド・リメイク版『Your Name』の監督にも抜擢された。ちなみにタイトルの『ミナリ』は、韓国語で香味野菜のセリのこと。米アカデミー賞では作品賞、監督賞を含む6部門にノミネート。116分。TOHOシネマズシャンテほか全国公開中 配給:ギャガ(C)2020 A24DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
文=永野正雄(ENGINE編集部)
(ENGINE 2021年5月号)
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