2022.10.16

CARS

売れ筋コンパクトSUVのフォルクスワーゲンTロックが、残念だったインテリアを見直してグレードアップ!

フォルクスワーゲンTロック

全ての画像を見る
弟分のTクロスとともに、高い人気を誇るコンパクトSUVが進化。お客様の声を反映してか、弱点をしっかりと補強してきた。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

注目はインテリアの見直し

フォルクスワーゲンのSUV、Tロックが国内発売されたのは2年前の7月だったから、あれ? もうマイナーチェンジするのか、と思う向きもあるだろう。しかし、実は日本導入が遅れていただけで、本国の発売は2017年だから、だいたい予定通りの変更である。グローバルでは4年間で販売台数100万台を超えた人気モデルで、日本の輸入SUV市場でも昨年は7200台余りを売って、トップのTクロスに続いてワン・ツーを決めているという。



そんな売れ筋コンパクトSUVのTロックの新型は、前後のバンパーまわりが手直しされてフロント・グリルには左右のヘッドライト(全車LED式となった)をつなぐLEDストリップも加えられた。また新たに300psの2リッター 4気筒ターボを積む高性能4WDモデルのTロックRも追加されたが、注目はやはり素っ気なかったインテリアが見直されたことだろう。

何しろ、従来型はダッシュボードをはじめとする内装のハード・プラスチック材が目立っていかにも簡素だった。いやいやVWはこういうビジネスライクな機能優先でいいんだよ、と割り切る見方もあるが、世間一般ではもうちょっと何とかならないかという声が多かったらしく、新型ではステッチ(風)が入ったソフトな素材に改められ、さらにセンターのタッチディスプレイも8から9.2インチに大型化、ステアリング・ホイールも最新世代に変更された。要するに新型ゴルフ同様にアップデートされたわけである。エアコンのコントロールもタッチ式になったが、正直これは以前のほうが使いやすかった。



150ps/250Nmを生み出す1.5リッター直4直噴ターボ(気筒休止システム付き)にデュアルクラッチ式7段自動MTのDSGを組み合わせて前輪を駆動するパワートレインに変わりはなし。SUVとしては比較的軽い車重(1320kg)を活かしてキビキビ活発に走るが、路面によってはいささかラフな乗り心地なども相変わらずである。人によっては気にならないかもしれないが、ちょっとガサツなロード・ノイズが伝わってくるのもこれまで通り。1.5リッターターボには「アクティブ」と上級グレードの「スタイル」があり、試乗したスタイルは17インチ・タイヤが標準となるものの、ゴルフとは違ってスタイルでもリア・サスペンションはシンプルなトーションビーム式である。安全運転支援装備も最新世代にバージョンアップしているし、例によって室内スペースや荷室にも文句なし。実用車としての勘どころはきちっと押さえながら、現代風に身だしなみにも気を遣ったのが新しいTロックである。

文=高平高輝 写真=望月浩彦



(ENGINE2022年11月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement