2025.04.20

CARS

ポール・スミス仕様はミニだけではなく、ディフェンダーにも存在した 4種類の新旧ディフェンダーが登場

クルマそのものはもちろんのこと、ファッション、書籍、ミニカーなどクルマ趣味関連のグッズが多数展示、販売されるオートモビル・カウンシル。今回で10回目を迎えた記念すべきイベントで、ランドローバーは新旧4種の「ディフェンダー」とその始祖である「シリーズ1」を展示した。

確かな存在感

SUV全盛の現在に至る前から、確かな存在感を示していたランドローバー。そのなかでも、ディフェンダーはその名を用いる以前のシリーズ1時代から人気を博してきた本格的なオフローダーである。



シリーズ1 88インチホイールベース ステーションワゴン/1957年

シリーズ1は1947年から製造されているランドローバーの最初のモデル。1955年から56年に掛けてロンドンからシンガポールまでオックスフォード大学とケンブリッジ大学の合同チームによって1万8000マイルを国境を越えながら陸路でいろいろな国を旅する行為を「オーバーランド」といい、シリーズ1はそのオーバーランドを最初に成功させたクルマとされている。オートモビル・カウンシル2025に展示された個体は1956年に製造され57年に納車されたモデル。最初のオーナーが20年所有したのちに人手に渡り1990年代初頭に当時のオーナーによってステーションワゴンからソフトトップに改造。その後、再びステーションワゴンに戻されたという。



ディフェンダーV8ビスポーク

ビスポークとはイギリスのテーラーで仕立てる注文紳士服のこと。こモデルはランドローバー・クラシックの専門チームが初代ディフェンダーをベースにレストアとビスポークを施したもの。エンジンは405psのV8ガソリンを搭載。トランスミッションは8段ATに換装されている。駆動方式はもちろん4WD。サスペンションは改良されたコイルスプリング&ショックアブソーバーを採用。ブレーキはフロント335mm、リヤ300mmのローターに4ピストン・キャリパーが奢られる。



ポール・スミス・ディフェンダー

初代L316型ディフェンダーの生産終了を記念して、イギリスのファッションデザイナーであるポール・スミス氏とランドローバーSVOチームのジェリー・マクガヴァン氏が協力して仕上げたユニークなディフェンダー。外装に採用された27色のカラーはポール・スミス氏がイギリスの田園風景や軍隊のディフェンダーからインスピレーションを得たものだという。インテリアにはレザーとファブリックで、ポール・スミス氏がデザインした生地を採用した。クロックやグローブボックス内の鍵のセット、屋根に描かれた蜂のイメージなど長年ディフェンダーのファンである氏のこだわりが面白みをさらに演出。本車両はランドローバーでのPRに使用されたのちにブラウンズレーンの工場に保管され、クラシックカー・コレクションとしてPRイベントなどで活用されている。



ディフェンダー・オクタ/2024年

2代目ディフェンダーの最強モデルとして2024年に追加されたのが「オクタ」。エンジンは635psの4.4リッターV8ツインターボで、マイルド・ハイブリッド方式を採用。トランスミッションは8段ATが組み合わされる。前面投影面積が広いSUVのスタイリングでありながら最高速は250km/hに達するというハイパフォーマンスぶり。もちろん、ランドローバーらしいオフロード性能も備える。「オクタ」モードと呼ばれるオフロード専用モードを備え、滑りやすい緩い路面での最適な加速を実現するオフロード・ローンチといった機能も利用可能だ。



文・写真=諸星陽一

(ENGINE WEBオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement