【前後篇の後篇/前篇からの続き】
2025年の新車人気ランキング、エンジンHOT100が決定。選考委員を代表して高平高輝、島下泰久のモータージャーナリストに加え、エンジン編集部の荒井寿彦、新井一樹、佐藤玄、村上政の計6名によるクルマ好きのトレンドを探る座談会。1位から3位に続いて今回の【後篇】では4位以降を激論した。
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前篇【2025年新車人気ランキング】島下泰久らが総合評価 見えてきたクルマ好きの今年のトレンドとは?
最後のアルピナ
荒井 BMWアルピナはHOT10圏内の常連ですけど、今年4位になったのはこれで最後ということもありますよね。
島下 こんなにいいものがありますよと伝えるのも、僕らジャーナリストの仕事というか性ですよね。アルピナはそういう感じが強いと思う。
新井 EPC会員の人も10人が選んで27ポイント取っている。EPC会員枠の4位です。
島下 それ、買った人、あるいは注文した人じゃないですか(笑)。
村上 そうそう。ドライビング・レッスンの参加者でもB3 GTを買って待っている人がいる。
佐藤 EPC会員の人には、こういうのも刺さるんですね。ロードスターとは別に。
村上 やっぱり走って気持ち良くて、しかも実用性があるからね。
島下 ロードスターもアルピナも、両方持ってる(笑)。
新井 投票直前に試乗会があったために昨年から大きくジャンプアップしたのはVWゴルフです。なんと昨年の36位から5位に躍進。
島下 マイナーチェンジによる試乗会だったんだけど、走りに関してはほとんど変えなかった。外観とインフォテイメントが変わっただけとも言えるんだけど、いまやインフォテイメントはクルマの入り口としてとても重要だということがわかった。インフォテイメントが使いやすくなったら、その向こうにある走りが見えてきた。で、やっぱりゴルフいいなあと。本質を阻害するものがなくなったという印象です。
高平 6位のランドローバー・ディフェンダーも投票直前に試乗会があった。オクタという凄いのに乗ったりしたから、この順位なのかもしれない。EPC会員はゼロ票だからね。順位には試乗会の影響はあるよね。
村上 それでもSUVで上位なのはこれだけでしょう。
島下 これだけ世の中の人がSUVを買っているのに、このランキングは何を表わしているんでしょう?
高平 それはエンジンHOT100の特徴だよね。21年にディフェンダーが3位になったら「911より上なんて間違っている!」ってムラカミさんが言ったんだよ。
2台目は憧れのクルマを
村上 10位圏内にケータハム・セブンとスズキ・ジムニーが入ってきたことには驚いた。
高平 ケータハムは憧れ枠でしょう。どうせ買わないけど。
村上 ドライビング・レッスンにケータハムで参加する人がいます。ロードスターやA110と同じように軽いのが善ということでドライビングを楽しんでいる。軽いのが善という系譜で考えると、8位のM2クーペなんかもそうかもしれない。
島下 憧れと現実が混在しているのが面白い。ケータハムなんて価格とは別の話で買えないじゃないですか。ジムニーもこんなのが1台あったら楽しそうだなあと。どちらもセカンドカーとしてこれがあったらいいなあという憧れ枠なんじゃないですか。ジムニーも昨年の33位から大きくジャンプアップしているんですけど、ノマドが追加されたからだと思います。でも、ノマドは注文が殺到してすぐに受注停止になったので、試乗車がなくほとんどのジャーナリストが乗っていない。
村上 12位のホンダ・シビックはタイプR票ということ?
新井 そうでもないです。マニュアルのRS推しの人もいますよ。
高平 私、ノーマルのシビックに1ポイント入れました。乗ったことがあって、非現実的じゃないという条件をつけると20台選ぶのは難しい。
村上 13位にランボルギーニ・レヴエルト、14位にフェラーリ12チリンドリが入っているけどね。
高平 尊敬ポイントとして入っているだけでしょう。この2台は本当に自分が欲しいか、買えるかというのをどこかに置いておかないと選べない。ただし、私はシボレー・コルベットには点数入れてます。逆立ちすれば買えるかもしれないという気にちょっとなるから。
ケイマンとボクスター
荒井 15位はポルシェ718ケイマンGTS4.0です。ボクスター718GTS4.0は23位。面白いなあと思ったのは、ケイマンはジャーナリスト票が多く、ボクスターはEPC会員票が多いこと。
新井 どちらもGTS4.0なのは自然吸気6気筒だからでしょうね。EPC会員の人はクーペなら911だと思っているからじゃないですか?
荒井 なるほど。もう911持っているかもしれないしね。2台目なら屋根開きがいいと。それにしても、ジャーナリストの人は自然吸気エンジンが好きですね。レヴエルト、チリンドリは12気筒、コルベットはV8、そしてケイマン&ボクスターはフラット6の自然吸気。
新井 試乗会はなかったのに、昨年の43位から17位へと大きくジャンプアップしたのはアルファ・ロメオ・ジュリア。
高平 えー!誰が入れてるの?
村上 僕は毎年入れてます。昔ながらのアルファの味が残っている。運転好きが好きになるクルマだよね。
佐藤 M3みたいにバキバキじゃなくて、誰でも運転が楽しめるスポーツセダンってなかなかないから、そこが評価されたんじゃないですか。僕も入れました。
島下 しみじみ気持ちいいみたいな。
ロードスターに戻ってくる
村上 ロードスターが1位なら35位のGR86ももっと上でいいかなと思うけど。
高平 いや、それは違うでしょう。GRヤリスにも言えることだけど、乗るとスゲエ! と一瞬思う。でも凄いだけじゃあ長続きしない。非力なロードスターの方が圧倒的に人気があるというのはEPC会員の人たち、本当にわかってるなあと思う。そこにエンジンHOT100の健全性を感じる。

荒井 速いより気持ちいいが勝ってるということですね。
新井 ロードスターも憧れ枠で入れている人がいると思います。実際に使うと暑かったり寒かったり、トンネルで臭かったり。
島下 若い時は良かったけどね。
新井 そうそう。歳を取ったら軽井沢の別荘にロードスターを置いて、気持ちいい日だけ乗る。そういう票も入っているんじゃないですか。
島下 オープンカーはハードルが高い分、憧れも高いんですね。
村上 ということで、ざっと上位を見てきましたが、エンジン・ウェブでもウェブ会員5万の人たちに1台を選んでもらったWEB版のランキングが決定してます。こちらの結果もお楽しみに。
◆ENGINE Web読者が選んだ「いま欲しい新車ランキング2025」はこちら!
前編【2025年新車人気ランキング】島下泰久らが総合評価 見えてきたクルマ好きの今年のトレンドとは?では、座談会参加の6人それぞれが1位に選んだクルマについて語っている。
話す人=荒井寿彦+高平高輝+島下泰久+新井一樹(ENGINE編集部)+佐藤 玄(ENGINE編集部)+村上 政(ENGINE編集長) まとめ=荒井寿彦 人物写真=佐藤慎吾(ENGINE編集部)
(ENGINE2025年9・10月号)