英ランドローバーは世界最高峰のオフロード・レース、ダカール・ラリーにおいて、ディフェンダーを単なる車両提供に留まらず、過酷なルート開拓という重要な役割を担わせた。6台のディフェンダーの特装車両が、イベント主催者によるルート偵察のために供給され、すでに最初の2台が1月3日から開幕する2026年ダカール・ラリーのルート策定作業に投入されている。
数千キロを検証する過酷な使命
毎年数百名の競技者を迎えるダカール・ラリーのポイントは、主催者が設定する過酷なルートにある。サウジアラビアのヤンブーを起点に、2週間かけて草原や砂漠を数千kmにわたって走り続けなければならないのだ。主催者はルートを最終決定する前に、競技ステージのすべての検証・確認できるよう、偵察用の特装車両に能力と耐久性を求めている。

ディフェンダー特装車両は、4気筒ガソリン・ターボ・ユニットを搭載したP300の標準ボディである110をベースとしている。ラリー用に改造され、砂漠でのルート計画作業に何週間も従事する主催者たちが、ダート、砂丘、岩だらけの悪路を何時間もハンドルを握って横断できるよう、理想的な装備が施されている。
安全性は何よりも重要視され、各ディフェンダー特装車にはロールケージが組み込まれ、機材の収納スペースを最大化するため、乗員は3名に制限されている。その3座席には、4点式のハーネスも装備される。

P300のパワーユニットは標準仕様だが、ラリー仕様の冷却パック・キットと、最適化されたエア・クリーニングのためのサイクロン式インテーク・プレフィルター付きのハイポジション・エア・インテークが追加されている。
さらに18インチのオールテレイン・タイヤ、ラリー仕様のショックアブソーバー、強化されたアンダーボディ用のプロテクションなどを追加。加えて収納を最大化するため、3座席構成によって確保された追加スペースに加えて、132kgもの積載容量を持つルーフ・ラックを装備する。工具、スペア・パーツ、サンド・ラダーを含む緊急リカバリー・キットはもちろん、最大700km の追加走行距離をサポートする補助燃料タンクも追加された。長い偵察ルートは砂漠で多くの夜を過ごすことを意味するため、冷蔵庫、追加照明、シャワー用の40リットル水タンクも搭載する。

ルートが設定されると(詳細は各日のステージが始まる際に初めて競技者に明かされる)、偵察用ディフェンダーは各ステージを「オープン」するために走行。そう、ダカール・ラリー本番でもこのディフェンダーたちは活躍するのだ。
2026年から本格参戦へ!
2025年にランドローバーはダカール・ラリーの公式パートナーとなり、このパートナーシップは2028年まで継続される予定。そして2026年からディフェンダーはFIA/FIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)にも参戦。“ストック”カテゴリーにエントリーする。

ランドローバーはディフェンダーの能力は最も困難な条件に対応するよう設計されており、ダカール・ラリーは究極のテストである、とアナウンス。競技車両は、ディフェンダーと同じタフで目的に応じて設計されたD7xボディ・アーキテクチャーを維持し、剛性のあるボディ構造を生み出す軽量アルミニウム・モノコック構造をベースとしている。さらに、ディフェンダーOCTAの4.4リットルV8ツインダーボ・ユニットを搭載し、卓越したドライバビリティを提供する。

世界最高峰のオフロード・レースであるダカール・ラリーのルートを切り拓くディフェンダー。その活動は、単なるマーケティング活動に留まらない“挑戦”だ。
ディフェンダーが活躍する姿を見るのが、今から待ち遠しい。
主要諸元(特装車両)
ベース・モデル:ディフェンダー110 P300
エンジン:P300 直列4気筒ターボ(ラリー仕様冷却パック・キット装備)
乗車定員:3名(4点式ハーネス装備)
主な装備:ロールケージ、18インチ・オールテレイン・タイヤ、ラリー仕様ショックアブソーバー、強化アンダーボディ・プロテクション、ルーフ・ラック(132kgまで積載可能)、補助燃料タンク(最大700km 追加走行可能)、40リットル水タンク
文=ENGINE編集部
(ENGINE Webオリジナル)