2026.07.14

LIFESTYLE

なぜウルトラマンは60年経っても人々を魅了し続けるのか ドキュメンタリー映画『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』が解き明かす創造の秘密

(C)TSUBURAYA PRODUCTIONS

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1966年に放送を開始した『ウルトラマン』。世代も国境も超えて愛されつづける特撮テレビシリーズの魅力を、豪華な顔ぶれが伝えるドキュメンタリー映画が完成した。

是枝裕和、庵野秀明、ギレルモ・デル・トロらが証言

1966年に放送が開始され、令和の時代になった今も新たな作品が作り続けられているウルトラマン。この日本特撮テレビシリーズの金字塔は、1960年代生まれの筆者だけでなく、あらゆる世代の視聴者に、それぞれの“ウルトラマンの思い出”と共に愛され続けてきた。その誕生から60周年を迎えた今年、作品の起源や魅力に迫るドキュメンタリー映画『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』が完成した。

国内外に多くのファンを持つウルトラマンだが、本作に登場する“証言者”たちの顔ぶれは実に豪華だ。是枝裕和、樋口真嗣、ギレルモ・デル・トロ、ニコラス・ウィンディング・レフンといった映画監督や、アニメーターの庵野秀明、ゲームクリエイターの小島秀夫といった世界的に活躍する表現者たちが、ウルトラマンの魅力、そして作品世界に対する解釈を熱く語るのである。一方で彼らの作品がいかにウルトラマンの影響を受けて生み出されたのか……。“呪縛”とも呼べるその存在の大きさが、彼らの言葉を通して伝わってくるのも興味深い。



またウルトラマンといえば、アルカイック・スマイルとも称される、口元に笑みを湛えているかのような表情が印象的だが、このデザインを手掛けたのは美術総監督の成田亨。彼は古代ギリシャ美術にも造詣の深い彫刻家でもあった。

そしてウルトラマン・シリーズで、ヒーローと同じくらいインパクトがあるのが個性的な怪獣たちである。第1話に登場するベムラーをはじめ、バルタン星人、ゼットン、レッドキング、ゴモラ、ダダ、ウーなど、ウルトラマンのファンには、必ずやお気に入りの怪獣がいることだろう(余談ながら子供のころ、両親から“怪獣博士”と呼ばれていた筆者のお気に入りはピグモンだった)。こうした怪獣たちは、けっして単純な悪としては描かれない。ときに環境問題や人間の欲望を映し出す存在として、さらにはウルトラマンと対をなす宇宙の摂理の一部として描かれていることも、大人のファンを魅了してやまない一因となっている。

もちろんウルトラマンは、ギレルモ・デル・トロ監督が「日本の映像史上、最も重要なファンタジー・クリエイター」と称賛する、円谷英二の存在なくしてこの世に生まれなかった。60周年を記念して製作されたこのドキュメンタリー映画は、ウルトラマンの原点をたどると同時に、円谷英二という偉大な才能にあらためて光を当てた作品でもあるのだ。

■『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』 

初代『ウルトラマン』は1966年から67年にかけて放映され、最高視聴率42.8%を記録する社会現象となった。円谷プロダクションはその後も新たなシリーズをつくり続け、その人気は世界中に波及した。ドキュメンタリー映画『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』で企画を担当したのは、本作にも出演している是枝裕和監督。同じくウルトラマンの熱烈なファンであるギレルモ・デル・トロ監督に自らインタビューしている。また黒部進、桜井浩子、毒蝮三太夫といった懐かしの俳優たちの姿も。全国公開中 配給:TOHO NEXT 円谷プロダクション

文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE2026年8月号)

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