2024.04.18

CARS

大井貴之が802馬力のメルセデスAMG S63 Eパフォーマンスに乗って、思わず叫んだ本音がこれ!「これはもう魔法だ!」

802馬力のモンスターサルーン、メルセデスAMG S63 Eパフォーマンスに、大井貴之さんと今尾直樹さんが試乗!

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2023年秋に登場したメルセデスのフラッグシップ・セダン、Sクラスのトップ・パフォーマンス・モデル「メルセデスAMG S63 Eパフォーマンス」にモータージャーナリストの大井貴之さん、今尾直樹さんが試乗。その本音やいかに? 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が乗った!

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「驚きの802ps、1430Nm」大井貴之

インテリアは真っ赤。インパネからドアへと回り込むパネルはピアノブラックにメタリックなピノストライプ入り。この内装色はこの個体に限っての話だが、AMGには高級かつ硬派なイメージを持っている63歳の筆者には眩し過ぎるインテリア。ゴールドのボディカラーもパナメリカーナ・グリルもSクラスAMGのユーザー層が変わってきていることを感じる。

真っ赤なレザー・シートとカーボン・パネルが独特の世界観を演出する。4リッターV8ツインターボ・エンジンに交流同期モーター、さらに4輪駆動システムの「4MATIC+」を組み合わせたパワートレインを持つ。「AMG RIDE CONTROL+エア・サスペンション」を標準装備。最大3度までステアする後輪操舵システム「リア・アクスル・ステアリング」も備わる。

このクルマには802ps! 1430Nmのパワーが与えられているからたまげる。足元を見ると巨大なキャリパーにカーボンセラミックの大径ブレーキローター。ホイールはセンターロック。「凄い」を全部投入してみました的なクルマの走りに興味が沸く。

走り出すと恐ろしく静か。しかし、アクセルを踏み込むとV8ツインターボが目を覚ます。決して吠えはしない。強烈だが、ジェントルな速さ。ワインディングでは、有り余るパワーできつい上り勾配であることをドライバーに感じさせない。コーナリング中の路面のうねりを意に介さない安定感。2690kgという重さを感じないトレース性の良さ。これはもう魔法だ。



 
「とんでもなくスゴい」今尾直樹

直前にケータハム・セブン340Rに乗っていた。車重560kgの超軽量小型スポーツカーから、セブンが収まるほど長い3215mmのホイールベースの、車重が車検証で2690kgもある、重量級超高級サルーンに。こういう場合、鈍重感はハンパない……と思うでしょ。ところが、違和感がまるでない。

最高出力612ps、最大トルク900Nmの4リッターV8ツイン・ターボに、PHEVのモーターを組み合わせて、システム最高出力802ps、アッと驚く1430Nmのシステム最大トルクが、重くて巨大なSクラスをセブンのように軽やかに走らせる。そのスムーズさと静かさはモーターのアシストと4WDのおかげもあるだろう。回せば、V8が雄叫びをあげ、オールド・ボーイを得心させる。

エア・サスによる乗り心地はふかふか。だけど、ふわふわではない。極上の特上。ドライビング・フィールは濃厚なのに、あっさりしていて胃にもたれない。セブン340Rに通じる、淡白さをあわせ持つ。さわやかなんである。これぞF1テクノロジー!? 最新鋭のAMGスリー・ポインテッド・スターはとんでもなくスゴい。


写真=郡 大二郎(メイン、サブ、リア)

◆大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が乗った「エンジン・ガイシャ大試乗会 2024」の記事一覧はこちら!


フラッグシップ・セダン、Sクラスのトップ・パフォーマンス・モデル「メルセデスAMG S63 Eパフォーマンス」は2023年秋に登場した。エンジン単体でのアウトプットは、最高出力612ps、最大トルク900Nm。リア・アクスルに搭載される交流同期モーターは190psを発生、システム最高出力802ps、システム最大トルク1430Nmとなる。全長×全幅×全高=5336×1921×1515mm。ホイールベース=3216mm。車両重量=2595kg。車両価格=3576万円。

(ENGINE2024年4月号)

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