土砂降りのなか、アバルト595コンペティツィオーネとアバルト124スパイダーの並走シーンから撮影はスタートした。2台の低いエキゾースト音が雨音をかき消す。595はコンパクトなボディに180psのパワー・ユニットを持つ。足回りは強化され、ホイールからブレンボ社製の赤いブレーキキャリパーがのぞく。小さな体に毒針を秘める、アバルトのエンブレム「サソリ」と同様、まさにホットハッチ。

ドライバーは全日本ジムカーナ選手権で、前人未到の通算111勝(2019年7月末現在)を記録する山野選手。同選手権には2017年から124スパイダーで出場し、今年もすでに6勝をあげて、3年連続のシリーズチャンピオンを獲得した。今回は595をドライブした。
「595は見た目はおしゃれなのに、乗るとオオカミみたいな感じです。今の時代〝乗りこなす〟感覚を味わえるクルマって貴重なんです。とくにコンペティツィオーネはクルマ好きのハートをくすぐります」
ジムカーナは、様々なコーナーが施されたコースをタイムアタックするレース。約90秒間、ミリ単位の精度が求められる。山野選手は26年にわたって参戦、勝率5割を超える驚異的な結果を出し続けている。
「クルマと自分自身の限界を見極めること。経験はそれを研ぎ澄ませてくれるんです。だからもっと運転が上手くなって、クルマのパフォーマンスをギリギリまで引き出したい、ただそれだけです」
インタビューのなかで山野選手は「勝つことは目的ではない」と語っていたが、限界を攻めているからこそ、その境地に立てるのだろう。


雨が上がっても、595と124スパイダーの競演は続く。テールアンドノーズで追っかけあい、競うかのように土埃をあげドリフトする。124スパイダーはマツダ「ロードスター」をベースに、足回り、エンジン、トランスミッションを強化し、よりスポーツに特化した仕上がりとなっている。デザインは初代124スパイダーを彷彿させ、より“強さ”が感じられる。
ドライバーは、ドリフトのレディス・クラスのチャンピオン経験のある石川選手。アバルト・ドライビング・アカデミーのインストラクターも務めていてアバルトの特徴を知り尽くしている。
「124スパイダーは扱いやすくてドライバーを選びません。イメージした通りに動いてくれます。595とは正反対の性格ですが、どちらも街中ではおしゃれに乗れて、ノーマルのままサーキットでも楽しめる、シーンを選ばないクルマです」


今回、撮影にあたってドライバーの2人は、少し話し合っただけだという。しかし撮影が進むにつれ、2台のエキゾースト音は上がり、ギリギリを攻める、息のあったドライビングを見せてくれた。
「山野さんはドライバーとしても人としても、とても尊敬しています。でも負けたくない、いつか超えてみたいと思っていて、今日はそんな気持ちで走りました」
バトルしているかのように見えた2人のドライビングシーンは、下記サイトよりご覧いただけます。また、石川選手による女性限定ドライビングレッスン「SCORPIONNA(スコーピオンナ)」を開催中。第2弾の募集は、8月中旬より開始予定。こちらも下記サイトをチェックしてください。
◇「The SCORPION SPIRIT」URL
https://www.abarth.jp/cp/scorpionspirit/
◇「The SCORPIONNA DRIVE SPIRIT」URL
https://www.abarth.jp/cp/scorpionna-drive/

コンパクトなボディに、最高出力180psの1.4ℓターボエンジンを備える。SPORTモードでは、最大トルクがアップ、エキゾースト音も大きくなる。ダッシュボードにはブースト計が装備され、ターボ音とともに針が回る。
創設者カルロ・アバルトの情熱とチューニング技術により、レースシーンを席巻したブランド「アバルト」。今年、ブランド創立70周年を迎えた。その記念として、2019年4月から12月までにデリバリーされるすべてのアバルト595に70周年記念限定エンブレムが装着される。
◇アバルト 70周年記念サイト
https://www.abarth.jp/70thanniversary/

1972年に登場した初代アバルト124スパイダーの復刻モデル。重いコンポーネントはホイールベース内に配置、最適な重量配分(50:50)となっており、高い操作性を実現している。レッドメーターなど内装にもアバルトらしさを感じる。
◇アバルト オフィシャルサイト
https://www.abarth.jp
◇アバルト コールセンター TEL.0120-130-595

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文=山元琢治(ENGINE編集部) 写真=林 左千夫、郡 大二郎 スタイリング=行定幸治(No.2) ヘアメイク=藤本康志(JYUNESU)
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