ウエダ 今月の巻頭特集はホット&クールなクルマと称しまして......。
アライ ホット&クールといえば、そろそろ自販機の飲み物も切り替えの時期ですねぇ。
ワタナベ バイクに乗ってるとさ、冬場の缶コーヒーがエンジンのフィンと並んで命の火種だったりするのよ。誰も見てなかったら股間に入れたくなるくらいで。
アライ それ、漏れて滲み出たら大惨事ってもんじゃないからやめといた方がいいですよ。
ウエダ アライさんまで悪ノリしないでくださいよ。ホットは内燃機でクールは電動モーター。各々の魅力を探ろうという企画なんです。
アライ ナベさんはホット派ですよね。EV嫌いって有名ですし。
ワタナベ なんか周囲に誤解されてるっぽいんだけど、僕は別にEVが嫌いなわけじゃないんだよね。テスラが嫌いなだけで。
ウエダ なにげにややこしそうな話してますが、我々中古車隊としましては、今、魅力的なEVのそれを探すことがなかなか難しいわけです。
ワタナベ ほぼ現行車種だもんね。 i3とかi8とか好きなんだけどさ。
アライ となると、我々は悪役側に回らざるを得ないわけだ。
ワタナベ 内燃機が悪役って一概には言えないよ。日本のエネルギーミックスを考えたら、全然プリウスの方が高効率だと僕は思うけど。
アライ でも好きでしょ、悪役。
ワタナベ そりゃあ、まあね。
ウエダ というわけで、今回は札付きのワルを求めてここ神奈川県相模原市にやってきました。
アライ うわ、これは文句なし。
ワタナベ しかも初期のタルガトップとかって、大悪漢にも程が......。
ウエダ ここコレクションズさんは、スポーツ・モデルやSUVを問わず、アメリカ車全般を得意としているシ ョップですが、特にダッジ・ヴァイパーには一家言持たれているようで、販売車両も常時ストックを心掛けていらっしゃるそうですよ。
アライ 心掛けてても、そもそも日本に入ってる台数が少なかったりするんじゃないの?
ワタナベ コレクションズ代表の本多芳彦さん曰く、正確な数字はわからないけど感覚的には100台あるかないかって感じらしいよ。日本にも本家アメリカから認定を受けているオーナーズ・クラブがあって、そこに所属しているオーナーだけでも40人くらいはいると。
アライ なるほど、日本にもそういう好事家がいらっしゃるというのはクルマ好きとして心温まる話ですね。
ウエダ ちなみにヴァイパーの歴史は1989年に遡ります。デトロイト・ショーで発表されたコンセプトカーのVM-01がその源流です。
ワタナベ フォードから移籍したボブ・ラッツが、コルベットの対抗馬としてコブラの再来的なイメージで作り上げた......というとちょっと辛辣かな。でも実際に年代にクライスラーと関係の深かったキャロル・ シェルビーも開発には参画してるし。
アライ ボブ・ラッツはカー・ガイとしても知られていますし、自分の息のかかった頂点的なスポーツ・モデルを作りたかったんでしょうね。
ウエダ で、ヴァイパーは92年型から発売が開始されるわけですが、VM-01がV8搭載前提だったのに対して、ヴァイパーはV10が搭載されるわけです、OHVの。
ワタナベ そこに大きく関与したのが、当時クライスラー傘下にあった ランボルギーニだったと。
アライ ランボがクライスラーのV10エンジンをベースにアルミ・ブロック化してチューニングを加えたんですよね。で、92年型は何馬力くらいあったんだろう。
ウエダ 初代のRT/10は400hpだったそうです。それが最終的には640hpまでいくんですね。
アライ えっと、確かカタチは2回変わってますよね。
ワタナベ 形状的には3世代に見えるし、それはそれでいいんだけど、同形状に見えてもエンジンの排気量やチューニング、シャシーのリファインなどのメカニカルな変更を初代と2代目はモデル・ライフ途中で受けているんだよね。だからそれを厳密に区分けすると5世代ということになる。そして今回取材させてもらってるこのRT/10は、初代の前期と後期の間にあって、アメリカでは1.5世代と呼ばれているらしいよ。
アライ ええっ、そんなに細かく区分けされてるんですか......。
ワタナベ で、1.5世代の特徴は1世代目に対して牙を意味する先の尖ったファング・ストライプをボディに配し、ステアリングやサイド・ブレーキをアクセント・カラーのレザーに変更。エグゾースト・システムを側方排気から後方排気化してエンジンは415hpに。サス・アームも第2世代の改良版を先取り......といった特徴があるんだって。ちなみに取材車はオーディオ以外完全にオリジナル。相当希少な個体だね。
アライ 初代は窓も差し込み式だったり、いよいよコブラ的な作りでしたが、この後のGTSの登場で劇的に日常性が高まったわけですね。
ウエダ そっちは言ってみればデイトナ・コブラのようなものですか。
ワタナベ 第3世代以降はサイド・ウインドウもパワー式になって幌も格段に使いやすくなった。で、ホイールベースも70mmほど伸ばされて扱いやすさも向上していると。それに乗じて500、600hpとパワー もガンガン上がっていったわけだ。僕は第2世代のGTSしか乗ったことがないけど、あれに比べると随分社会性を備えた乗り物になってるんだろうね。でも逆に言えばヴァイパーという名前を純粋に表現した荒々しさこそが1〜2世代の売りかも。
ウエダ 聞けば整備には色々要領が求められるところもあるけど基本的にはすこぶる頑丈。かつメンテナンス・フィーも欧州系スーパー・スポーツに比べると安価らしいですね。その辺りはさすがアメ車というべきか。
ワタナベ 最終型は本気を出せば富士で1分50秒台が狙えるほどの本格的なパフォーマンスをもっているということが一般にはなかなか伝わらない。でもアメリカって本気出すと凄い工業製品作っちゃうってことを知ってる人には、このクルマの毒が馬鹿力一本槍じゃないことが伝わるんじゃないかな。
アライ そして仮にこの先、油の焚き納めを迎えるとしても、これなら悔いは残らなさそうです。
話す人=渡辺敏史(まとめも)+新井一樹+上田純一郎(ともにENGINE編集部)
(ENGINE2019年12月号)
※紹介した中古車の価格、在庫については、取材時のものです。
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