ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
歴史が面白いのは振り返るから、とはよく言ったもので、時を遡れば遡るほど“いいなぁ”と思えるクルマは増える。21世紀になってからも印象に残るモデルが少なくなかったことにまずは安堵。一方で、後半の10年で特に国産車の目立つモデルが見当たらなかったのは残念。何でもいい、“世界を変えるぞ!”という熱量ある国産車が少なかった。雌伏の時だったのか。近未来に期待したい。
デビュー以来9年で1万台を造った。世界一売れた12発NAのミドシップ・カーとして歴史に残ることほぼ決定だ。なるほどランボルギーニらしいシザードア・スタイルにV12エンジン、カーボン・モノコック・ボディなど語るべき魅力は多い。
12Cがスーパーカーに与えた影響はすさまじい。普段遣いでの乗り心地の良さとサーキットでの圧倒的なパフォーマンスは相反しないことを証明したからだ。加速、ハンドリング、いずれも超一級。マジメに造られた真のスポーツカー。
ツルシの国産スポーツカーが世界の猛者と渡り合う日がやってこようとは! かなりの重量級だが、最高速300km /hと0→100km /h加速3秒以内を両立し、かつサーキットでも驚異の性能を発揮した。常識を覆したモデルとしても歴史に残る。
マラネッロ発のミドシップ・カーがついにダウンサイジングターボへ。NAの458に比べあらゆる性能が格段に上がる。新たな境地へと達した。
ホンダNSXが続いていたらV10を積んだR8のようなクルマだったろう。運動性能は抜群に高く、それでいて乗り味優しく洗練されていた。
GT3は本来、ちょっと危なっかしいくらいが面白い。サーキットで真剣にならずとも交差点でワォ!と言いたいのだ。初期型にはそれがある。
オールタイムで最高の乗用車であることを義務づけられたモデルだが、立派に果たしている。超静か。ロング・ボディでもハンドリングは良好。
内燃機関をただモーター&バッテリーに変えていたんじゃEVの意味はない、ということを気づかせてくれた。新たなカテゴリーのクルマだ。
ユニークなカタチを極めつつ、そこに破綻も無理もなかった。今見ても秀逸だ。ひと目ひと乗りで惚れて購入。良い個体があればまた欲しい。
グランドワゴン・スタイルを採りいれた欧州車のなかでこれを超えるデザイン性をもつモデルはいまだ他にない。フラットライド感豊かなGT。
走りのレベルは超一級。街中では乗り心地よく、ちょっとしたワインディングを気持ちよくこなす一方で、GTとしても優秀だ。商用車の手本。
偉大な初代を受け継ぎ、実は走りの楽しさをレベルアップした優秀な二代目。顔が格好悪いのが玉に瑕だが、リアから見たスタイルは抜群!
ミニと言いながら決してミニではないけれどもミニらしいという見事な落としどころを得た。偉大なる過去と仲良く手を繋げた功績は大きい。
音、加減速(フィール)とハンドリング。スポーツカーの根源的な魅力は数値では説明できず、今も昔も変わらないことを見事に教えてくれる。
RRの呪縛から逃れたポルシェの真性スポーツカー。実用的であるところがポルシェらしい。
乗り味は正にスーパーカー。サーキットでも楽しい。ルノーの変態的クルマ造りの極北である。
走りは超一流で、コンパクトスポーツカーのお手本。今となっては格好悪さもまた味わいか。
BMWの電動化戦略において一定の役割を果たした。シティカーだがハンドリングはBMWだ。
英国らしいバックヤードビルダーテイストが味わえる。野蛮な走りと飛び抜けた個性の融合。
最新で楽しむベントレーのクラシック味。6 3/4リッターV8搭載モデルもこれにてついに終了。
文=西川 淳(自動車ジャーナリスト)

(ENGINE2020年9・10月合併号)
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