20年間のエンジン"ホット100"ランキングの15位に輝いたエリーゼ。スポーツカーの究極は、軽くて小さいこと。そして最大の重量物であるエンジンをミドシップする後輪駆動であること。さらに腕に優秀なドライバーが操ると、格上をも翻弄する高い潜在能力を秘めていて、愛らしいデザインであれば何もいうことはない。ロータス・エリーゼとはそんなエンスージアストの理想を、余す所なく形にしたスポーツカーだ。
特に現行型の220psを発揮するスポーツ220の存在価値は文化遺産級である。嬉しいことにエリーゼを選んだ皆さんも「超絶ピュアなスポーツカーの絶滅危惧種」(飯田裕子さん)「絶滅危惧種ゆえ、新車が買える今のうちに」(藤野太一さん)と、この思いを共有していた。そのドライバビリティは粗野にして極めて簡素だが「いささかスパルタンなスタイルではあるものの、ライトウェイト・スポーツカーのひとつの理想がここに」(齋藤浩之さん)「超スパルタンで操縦性キレキレなのに、乗り心地も絶品」(佐野弘宗さん)と高く評価されている。
デビュー以来まったく変わらないアルミ製バスタブ・シャシーも「それこそロータスらしい魅力」(桂伸一さん)「基本を変えず四半世紀にわたり作り続けられている「奇跡」にも感謝」(藤原よしおさん)と評され、いたずらな進化は不要とされている。20世紀末に近代ライトウェイト・スポーツカーのベンチマークとして衝撃的なデビューを飾ったエリーゼは、今なおエバーグリーンに愛され続けている。
■ロータス・エリーゼ/3代目(現行型)
全長×全幅×全高=3800×1720×1130mm、ホイールベース=2300mm、車両重量=924kg。現行モデルのスポーツ220IIは最高出力220ps /6800rpm、最大トルク25.4kgm/4600rpmを発揮する1.8L DOHCスーパーチャージド・ユニットをミドシップに横置きで搭載し後輪を駆動する。
文=山田弘樹(自動車ジャーナリスト)
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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