メルセデスの中核を担うEクラスのクーペ&カブリオレのフェイスリフト版が、セダン&ステーションワゴンの新型と共に日本市場へやってきた。
今年5月にオンラインで発表された新型メルセデス・ベンツEクラス・クーペとカブリオレが、日本ではセダン、ステーションワゴンと同時に発売された。クーペは3年ぶり、カブリオレは2年ぶりの刷新と、タイミング的には早過ぎの感はあるが、内容はこちらも非常に充実している。



台形ラジエーターグリルに吊り目を組み合わせたフロントマスクは、このクーペとカブリオレには更に違和感無く溶け込んでいる。わずか1、2年とはいえ、あとから出ただけのことはある。かなり派手なクローム仕上げのダイヤモンド・グリルも、クーペとカブリオレにはよく似合う。
インテリアも同様の変更を受けている。目玉は新意匠のステアリングホイールの採用。静電容量式タッチセンサーを搭載したコレは3本のツインスポークを使ったデザインで、多機能ながら見た目に重々しくないのが良い。最新のインフォテイメント・システムのMBUXやAR(拡張現実)ナビゲーションも、このタイミングで初導入となった。





ラインナップは豊富で、いずれもE200スポーツ、E300スポーツ、E450 4MATICスポーツ、E53 4MATIC+の4グレードが揃う。今回の試乗車はクーペ、カブリオレともE300スポーツ。最高出力258ps/370Nmを発生する、直列4気筒2.0Lのツイン・スクロール・ターボチャージャー付きエンジンを搭載する。
その動力性能は十分過ぎるほど。遮音の徹底もあって快適な走りを楽しめる。正直、乗る前には「300といっても4気筒か…」と一瞬思ったのだが、いい方向に裏切られた。
このE300スポーツには“AIR BODY CONTROL”と呼ばれるエア・サスペンションが標準装備。姿勢変化が少なく、それでいてゆったりとしたストローク感のある非常に質の高い乗り味を実現している。
特にクーペは、ボディの剛性感が高く、気持ちの良いフットワークを楽しめる。サッシュレスドア、センターピラーレスということで全方位に開けた視界も特徴。何より贅沢な雰囲気が良い。





もちろん開放感で選ぶならカブリオレに限る。試乗車はフロント・ウインドウ上端に備わるウインド・ディフレクター、エア・キャップが装着されていたからイヤな風の巻き込みも無く、爽快なオープンエア・ドライブを楽しめた。
けっして販売台数は多くないこのセグメントに2車種を、幅広いグレードで展開しているだけでも賞賛に値するが、乗るといずれも本当に心地よい時間を過ごせるクルマに仕上がっているのだから唸るほか無い。大きな進化を遂げた、本当に贅沢なクーペ、そしてカブリオレである。
文=島下泰久 写真=小林俊樹
(ENGINE2021年1月号)
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