過去13年間分の雑誌記事をWEBで再掲載している連載です。毎週水曜日12時更新。
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2013年12月に車検を終えた44号車、新年から20万kmへ向けて快調にスタートと思いきや、突然排気音が大きくなったのでした。
2014年の初仕事はポルシェ911ターボSをポルシェ・ジャパンに返却するというもの。年が替わってステアリングを握る最初の広報車が、スポーツカーの王者であることを神に感謝した。エンジンをかけると、ボーッという野太い排気音がドライバーを包み、ただものではない感じを与える。編集部からポルシェ・ジャパンのある目黒まではわずかの距離だがポルシェ911ターボSの底知れぬ力強さを実感した。
編集部での業務を終え、44号車で帰宅しようとエンジンをかけると、ボーッ! ポルシェ911ターボSと同じ排気音がしたのである。いい音だぞ、44号車! 一体どうしたんだ? マフラーを覗き込むとタイコから排気管が外れていた。
原因はリア・マフラーの腐食。21年間に少しずつ錆びて、とうとう排気管とタイコの溶接部分が朽ちた。早速、ヤナセ神田支店文京サービス・センターに44 号車を持ち込んだ。1992年型メルセデス・ベンツ300TEのマフラーは触媒、センター・マフラー、リア・マフラーの3つで構成されている。欠損したのはリア・マフラーだが、リア・マフラーとセンター・マフラーの結合部分もグズグズに錆びていることが発見されたため、センター・マフラーも新品にする必要があるという。幸い、ヤナセに在庫があったため、すぐに交換ができた。費用は14万3000円。う~む。車検で不具合が見つからなかったのに、こんなところに落とし穴があるとは。とはいえ、ヤナセのサービス・マンによれば、21年間も穴が開かなかったのは、メルセデス・ベンツの品質が高いからだという。「アライさん、これでまた距離が伸びますね」と、ピカピカになったマフラーを見上げながらサービス・マンが微笑んだ。
さて、完全復活して静かになった44号車は2013年5月からグッドイヤーのオール・シーズン・タイヤ、ベクター・フォーシーズンズを履いているのだが、その効果を実感する機会があったので報告したい。
2月8日の土曜日、首都圏を突然の雪が襲った。積雪10センチ以上は16年ぶりというので、44号車をあえて動かしてみたのである。
自宅のある埼玉県春日部市の路地はすっかり雪に覆われていたが、ソロリソロリと駐車場を出た44号車はスタックすることなく、駅で待つ息子を迎えにいくことに成功した。専用コンパウンドや特別なV字形グルーブのおかげなのだろう。凍ったり、極端な勾配だったりしなければ、なんとか走ることができるようだ。サイド・ウォールにあるスノー・フレーク・マークは伊達じゃなかった。
さあ、20万kmへゴー!
文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬
■44号車/メルセデス・ベンツ300TE
MERCEDES-BENZ300TE
購入価格:168万円
導入時期:2008年9月
走行距離:18万8100km
(ENGINE2014年4月号)
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