DSオートモビルのフラッグシップSUVであるDS7クロスバックに、新グレードのE-テンス4×4が追加された。E-テンスはDSの電動化モデルに与えられる名称で、DS7はブランド初のプラグイン・ハイブリッドとなる。DSで4WDを採用したのもこのE-テンス4×4が初めてだ。
パワートレインは、200ps/300Nmを発生する1.6リッター直4ターボ+8段ATと、フロントが110ps/320Nm、リアが112ps/66Nmを発生する2つの電気モーターを組み合わせたもの。なお、後輪は112psのモーターのみで駆動する。システム総合出力は300ps/520Nm。5.9秒という0-100km/h加速は、車重が370kg軽いエンジン単体モデルの8.2秒から大幅に短くなっている。
このハイブリッド・システムは4つの走行モードを設定。効率重視の「ハイブリッド」、エンジンの出力を最大限走りに使う「スポーツ」、前後モーターの独立制御でトラクションを高める「4WD」、モーターのみの電力走行を行う「エレクトリック」だ。電池のエネルギーだけで走行できる距離はWLTCモードで56km。また、ハイブリッド・モードではアクティブ・スキャン・サスペンションが稼働する「コンフォート」モードも選べる。
このほか、エネルギー回生システムはシフト・セレクターで選択できるDとBの2モードを用意。これは回生ブレーキの使い方が戦略に大きく影響するフォーミュラEから着想を得たものだという。なお、DSは2015-2016年シーズンからフォーミュラEへの参戦を開始し、2018-2019年、2019-2020年の2シーズン連続でドライバーとチームの両年間タイトルを獲得している
駆動用バッテリーの容量は13.2kWhで、後席の下に設置される。満充電に掛かる所要時間は、コンセント経由で行う3kW/200V充電で約5時間、ウォールボックス経由の6kW/200V充電で約2.5時間。スマホの無料アプリを介して、充電状況を確認したり、エアコンを遠隔操作することも可能だ。
ボディカラーは、新設定された専用色のクリスタルパールを含む白系が3色と、青系が1色の計4色。グレードは最上級の「グランシック」のみで、価格は732万円。1.6リッター直4ターボを積むガソリン・モデルのグランシックに対して143万円高となる。
文=関 耕一郎
(ENGINEWEBオリジナル)
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