2021.05.09

CARS

【試乗記】インパクトはスーパーカー以上! 中身は最新鋭オフローダーのランドローバー・ディフェンダー

写真=茂呂幸正

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2021年版ENGINE大試乗会で、フェラーリやランボルギーニと同じかそれ以上に大人気だったランドローバー・ディフェンダー110SE。佐野弘宗、渡辺慎太郎、塩見智、石井昌道、吉田由美の5人のモータージャーナリストが試乗して大絶賛!!


ひと目でディフェンダーとわかるデザイン!

先代のディフェンダーは基本構造を遡れば1948年に誕生したランドローバー・シリーズ1にたどり着く、いわば同社の象徴だが、新型は最新のアルミのモノコックを採用し、中身も最新技術が惜しみなく投入されて劇的進化を遂げた。それでいて、スパッと断ち落としたようなテールの造形や後席の天窓など、先代の特徴を上手く取り入れて、ひと目でディフェンダーとわかるデザインとなっている。300ps/400Nmを発揮する2リッター直列4気筒ターボは8段ATを介して4輪を駆動。全長、全幅、全高は4945mm、1995mm、1970mmで、ホイールベースは3020mm。車重は2320kgもあるが、意外やキビキビと走る。車両価格が738万円の110SEに試乗した5人のジャーナリストの意見やいかに。


写真=小林利樹
写真=小林利樹

「現代的に解釈した本物のキャラクター商品」佐野弘宗

ディフェンダーは、たとえばGクラスやラングラー、そしてジムニーとともに、歴史遺産的なカリスマ性をもつ現役SUVである。興味深いのは、これらすべてが、この2~3年の間に示し合わせたように、完全な新型に置き換わったことだ。どれもがほぼゼロから新開発されたが、ラダー・フレームやリジッド・サスペンションなど、多かれ少なかれ、あえて古式ゆかしいメカニズムを継承する。これもまたカリスマ性の一部だ。


ただ、この中でディフェンダーだけは例外だ。アルミ・モノコックや4輪独立サスペンションをもつ新型ディフェンダーの中身は、レンジローバーやディスカバリーとのつながりが深い。つまり、バリバリ最新鋭。よって、その走りは穏やかで民主的だが古典的ではなく、運転もあくまでイージー。そして、そのデザインもよくよく見れば、とことん現代的なのに、われわれにはディフェンダーにしか見えない。新型ディフェンダーは歴代ディフェンダーの機能美を、見事に現代的に解釈した本物のキャラクター商品というほかない。


写真=柏田芳敬

「運転する前からワクワクする」渡辺慎太郎

ディフェンダーを見て「大きいことはいいことだ」と故山本直純さんが言い放ったチョコレートのCMを思い出す昭和生まれのおっさんは、SUVを名乗っていながらヨンクでもなければオフロードも走れないなまくらなヤツを認めないのだけれど、ディフェンダーには比類なき悪路走破性もしっかり備わっている。それでいて、標準装備のエアサスがもたらすオンロードでの快適な乗り心地も両立させていて、これが529万円から手に入るとなれば世界中で人気が沸騰するのも頷ける。アイコニックなデザインとすべてを網羅するには本気で読み込まないといけないほど豊富なオプション群は、実際に運転する前からワクワクするおもてなしだ。ターボ付きのチョクヨンは300ps/400Nmを捻り出してくれるので、図体から想像する以上のキビキビとした走りが楽しめる。経済的余裕(=価格)のハードルは低いものの、物理的余裕(=ボディ・サイズ)のハードルがやや高いけれど、駐車スペースとか洗車性とかが障害にならなければ超魅力的である。


写真=小林利樹

「たった2リッターしかないエンジンが実に頼もしい」石井昌道

アルミ・モノコック+4輪独立懸架になったことでマニアからはあれこれ言われそうなディフェンダーだが、その洗練されたフィーリングと、オフローダーとしてのソフトでゆったりとしたサスペンションの組み合わせは、なんとも気持ちのいい乗り味を実現している。ノイズやバイブレーションは極小で超がつくほど快適。高速道路では乗用車ベースらしくピシッと走ってくれる。コーナーではスポーツカーのようなシャープさとは無縁で、スーッとロールしていくけれど、それがゆっくりと進行していくので決して不安ではなく、むしろ素直な動きが心地いい。ペースをあげていくと、ロールが深くなるほどに粘りが増すような印象で意外なほど骨太でもある。エアサスペンションや電子デバイスで高い悪路走破性を誇っているが、オンロードでは快適なだけではなく、他にはない気持ち良さがあって、たとえオフロードに行く機会がほぼないとしても欲しくなる魅力がある。排気量がたった2リッターしかないエンジンがじつに頼もしいのも嬉しい驚きだ。


写真=小林利樹

「何がイイって、まずカッコいい」塩見智

何がいいって、まずカッコいい。四角四面のシルエット、丸目2灯、垂直のリア・エンド、丸出しのスペア・タイヤ、そして星を確認して自車の方向を知るためのアルパイン・ライト・ウインドウなど、偉大な先達であるオリジナル・ディフェンダー(という名前になったのは1990年からで、それより前は“ランドローバー”こそが車名)のレガシーを効果的に活用しつつも、まんまリバイバルにはしなかったデザイナーのジェリー・マクガバンのギャンブルは大成功した。


エンジニアリングもいい。アルミ・ボディであるという点を除くと技術面でオリジナルとの連続性はほとんどない。そもそも新型はモノコックだし、4輪独立懸架だし。それでも電子制御式のエアサスや各デフを駆使して同等かそれ以上の悪路走破性を確保したうえで、(定義によるが一般的な意味での)快適性において雲泥の差を付けた。対オリジナルで優れるのみならず、現行の本格オフローダーのなかでダントツに乗り心地がよいと言い切ってしまおう。


写真=神村聖

「女性が運転したくなる」吉田由美

シュッとしたクルマもいいけど、こういうゴツイ車も捨てがたい。というかむしろ魅力的!


ランドローバーというとレンジローバーが憧れのブランドとして常に注目されていますが、ランドローバーはそのワイルドすぎるルックスからか、泥臭い本格派という感じで普段使いにはゴツすぎ。もちろんオフロード性能は抜群だし、汚れを気にせず使い倒せるのは頼もしいのですが。そこで新型ディフェンダー。四角いボディで見た目の力強さは相変わらずですが、だいぶ今ドキな感じになり、これが大当たり!


先代が彼氏に乗って欲しいクルマだとしたら、新型は自分が乗りたいクルマ。そしてこれ、私の中で今流行りの“ワークマン”とイメージが被ります。“ワークマン”はその名の通り、機能性が高いのにコスパもよい商品を提供しますが、近年は女性にも大人気。理由は本物が持つ性能の高さ。そこで女性でも着られるサイズやお洒落なデザインを導入したら大うけ。まさに新型ディフェンダーです。それにしてもこのクルマ、見てるだけでも楽しい。


(ENGINE2021年4月号)


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