2021.04.23

CARS

今シーズンのF1は “フェッラーリ” がシャンパンファイトの常連に!?

ここ数年で最も面白い展開が期待できる F1グランプリ2021。第2戦のエミリア・ロマーニャGPでは、表彰台で行われたシャンパンファイトに、フランス以外のスパークリングワインとして、初めてイタリア・トレントの “フェッラーリ” が使用された。



今シーズンのF1は見どころありすぎ!

第2戦では、今年ラストイヤーとなるホンダPU(パワーユニット)を搭載したレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝し、コンストラクターズ・タイトル7連覇中のメルセデスからその地位奪還の可能性が見えてきている。同じホンダPUを搭載する、アルファタウリには、7年ぶりの日本人F1ドライバー・角田裕毅(つのだ・ゆうき)が乗る。


3年ぶりにF1復帰したフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、チーム移籍組のセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、カルロス・サインツ(フェラーリ)らも気になるところ。新人も角田のほかに、ミハエル・シューマッハの息子、ミック(ハース)と、ロシアの大富豪の息子、ニキータ・マゼピン(ハース)が参戦する。そして、昨年絶不調だった “フェラーリ” が今年は速い!


スタート直後、好発進した3位フェルスタッペンが、ポールポジションのハミルトンを抜く。


アルファタウリ・ホンダの角田は、予選でクラッシュ、決勝ではポイント圏内まで追い上げるもスピン。トラックリミット違反3回でペナルティを科され、厳しいデビュー2戦目となった。

“フェラーリ” 表彰台まであと一歩

今シーズンから “フェラーリ” と同名の “フェッラーリ” がF1公式スパークリングワインとなった。両者は同じく「Ferrari」と綴る。その苗字はイタリアでは、ベスト3に入るほどポピュラーで、日本では「鈴木」さんといったところか。日本でのカタカナ表記では「ッ」の有無があるが「ッ」有のほうがイタリア語の発音に近いのだそう。


開幕戦のバーレーンは「アルコールフリー」のため、 “フェッラーリ” のデビューは第2戦、母国イタリアのイモラサーキットに。当然、地元 “フェラーリ” が表彰台に立てば、なおさら盛り上がるところだったが、決勝での残り8周、3位を走行していた “フェラーリ” シャルル・ルクレールを、コースオフして下位に沈んでいたルイス・ハミルトン(メルセデス)が猛追、あっさりとパスしてしまった。



ニキ・ラウダ、アラン・プロスト、アイルトン・セナが活躍した時代。“フェラーリ” の創設者、エンツォ・フェラーリは同名の “フェッラーリ” を贔屓にしていたという。そのため、母国モンツァGPでは “フェッラーリ” がシャンパンファイト に用いられた。

“フェッラーリ” の創業者、ジュリオ・フェッラーリは、シャンパーニュ地方と北イタリアにある故郷トレントの気候や土壌が似ていることを見究め、1902年にトレントでのスプマンテ作りをスタートさせた。妥協を許さないそのワイン造りは脈々と受け継がれ、年間生産は8000本から500万本超に。今ではシャンパーニュに勝るほどの評価を受け、世界的なブランディングにも成功している。



北イタリアはご存知の通り、“フェラーリ” だけでなくアルファロメオやマセラティ、ランチアなど多くの名車を生んでいる。“フェッラーリ” のあるトレントからクルマで2時間北上すれば「クルマ好きの聖地」と言われるステルヴィオ峠がある。豊かな自然、その地勢は多様性に富み、クルマとワインの文化を育んできた。彼らのモノ作りへのこだわり、情熱の源はこの自然そのものにあるのだと思う。


 


新型コロナウイルスの蔓延で、とくに多くの犠牲者を出した北イタリア。今回のグランプリは無観客開催のためティフォシ(tifosi/熱狂的なファン)の姿は見られなかったが、テレビの前で一喜一憂していたに違いない。イタリアでの “フェラーリ” の勝利と、シャンパンファイトする表彰台に群がるティフォシを見られる日が来るのを願うばかりだ。


文=山元琢治(ENGINE編集部) 写真=FERRARI TRENTO,HONDA
(ENGINEWEBオリジナル)


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