シトロエンは、新たなフラッグシップとなる「C5 X」を発表した。オーソドックスな3ボックス・スタイルではなく、ワゴンやSUVの要素を取り入れたクロスオーバーとなる。
コンセプトや車名は2016年のパリ・モーターショーでお披露目されたショーモデル「CXペリエンス・コンセプト」に由来する。寝かせたリア・ウインドウとテールゲートを備えるフォルムは、「CX」「XM」「C6」といった、シトロエンがしばしばラインナップしてきた5ドア・スタイルのセダンを思わせるが、C5 Xは大径タイヤとホイール・アーチやボディ下部の樹脂パーツ、高い地上高を組み合わせることでSUVテイストを強めているのが目新しい。
ボディ・サイズは全長4805×全幅1865×全高1485mm、ホイールベースは2785mmで、メルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズと同じDセグメントに属する。室内は長いルーフを利して、後席の頭上にも余裕のある空間を確保。荷室は545~1640リッターという大きめな容量と広く低い開口部やスクエアな内部形状と合わることで、ワゴン的な使い勝手も高めている。
シートは「アドバンスト・コンフォート仕様」と呼ばれるもので、パッドの特別な加工などによりサポート性と快適性を向上。また、広いガラス・エリアでキャビンに開放感をもたらすとともに、前後ウインドウにラミネート・ガラスを用いて遮音性を高めるなど、シトロエンのフラッグシップにふさわしい快適性を目指した。
パワートレインの詳細は未公表だが、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)が設定されることは明らかにされた。その最高出力は225psで、モーターのみでの航続距離は50km以上、モーターのみでの最高速度は135km/hに達するという。
このクルマは、シトロエンが快適性向上のためにかかげる「アドバンスト・コンフォート・プログラム」に基づいて開発されたサスペンションを採用。今回はそのアクティブサス仕様がPHEVに搭載されてデビューした。3モード切り替え式で、2段階調整式ダンパーを用いて乗り心地改善を図る「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」の効果をより高めている。
斬新なサルーン像を提案し続けてきたシトロエンの最上位機種の歴史に新たな1ページを加えたC5 X。日本への導入時期は現時点では未定とされている。
文=関 耕一郎
(ENGINEWEBオリジナル)
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