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2023.04.10

CARS

「ワインディングではコーナーのたびに「おおー」と声が漏れる！」　これが、人生の競争に満足した大人が楽しむクルマ、「マセラティ・グレカーレ」に試乗した自動車評論家の生の声だ！

ENGINE編集部

マセラティ・グレカーレ

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ！　500馬力のクルマに一泡吹かせることも可能！　レヴァンテの弟分、マセラティ・グレカーレに乗った清水草一さん、国沢光宏さん、岡崎五朗さんの3人は、思わず叫んだ！

これぞマセラティ！

あれ、マセラティがこんなにずんぐりしちゃたのか……と一瞬思ったものの、走り出した瞬間に、そんなことは忘れた。グレカーレ、走りの洗練度がすさまじい！　そしてドライブ・モードがどれもツボにはまる！　これほどドライブ・モードを細かく変更したくなるクルマも珍しい。「コンフォート」ではひたすらコンフォート。しなやかスポーティな足まわりは街中を走るのにピッタリだ。「GT」モードはリラックスしたハイウェイ走行向きだろう。サスの動きは適度に抑えられ、300馬力の2リッターターボ・エンジンは、軽やかに回って低い回転域からトルクを絞り出す。極めつけは「スポーツ」だ。ステアリング・ギア・レシオは過剰なほどクイックになり、ワインディングではコーナーのたびに「おおー」と声が漏れる。アクセルレスポンスもイケイケだ。これぞマセラティ！　エンジン・フィールに甘美さはないけれど、それもまたマセには新鮮。その分ハンドリングで陽気に遊ばせてくれるのがうれしいじゃないか！（清水草一）

広さと快適性にこだわった室内は高級感に溢れている。

競争を卒業した人に

いつかはマセラティに乗りたいと思っている。私の勝手なイメージなんだけれど、人生の競争に満足した大人がゆったりクルマを楽しもうとした時の、最高のパートナー候補です。とはいえ完全に枯れてないから、その気になればトコトンいったるぜ、みたいなことも可能。搭載されるエンジンは2リッター4気筒300馬力。マセラティと言えばフェラーリのV6ターボと考える人も多いだろうけれど、競争をたっぷりしてきた人間だからして2リッター300馬力だって十分以上に走る！　500馬力のクルマに一泡吹かせることだって可能です。どこで泡吹かせるか謎ですが（笑）。個人的に「いいね！」と思うのがインテリアを含めた独特の雰囲気。SUVを作ってもマセラティはマセラティです。さらに「いいね！」したいのが価格。オプションさえ欲張らなければ今回試乗した『GT』のベース価格は862万円！　同じくらいで買えるクルマと比べた時の魅力は素晴らしく大きい！　最後の純エンジン車としてマセラティを選ぶのもいいな、と思った。競争を卒業した人はぜひ御試乗を。（国沢光宏）



マセラティの魅力を具現化

グレカーレはアルファ・ロメオ・ステルヴィオの兄弟車。同社としては控えめな862万円～という価格を含め、レヴァンテの弟分として数を狙いにいくモデルだ。ということできっと味わいは薄いだろうな？　というのが僕の事前予想だったのだが……ごめんなさい、マセラティを甘く見すぎていました。実際に眺め、触れ、走らせてみた結果、グレカーレは僕の大のお気に入りになった。外観はまあそれなりにマセラティ風に仕上がっているなといった印象だが、室内はこのクラスのSUVとして圧倒的にラグジュアリー。加えて、eブースターと呼ぶ電動過給システムがとてもいい仕事をしている。2リッターターボで300psという高出力型であるにもかかわらず、eブースターのおかげでターボ・ラグは最小限。上まで回していったときの伸び感や痛快なサウンドも素晴らしい。峠道を心置きなく楽しめる足まわりと併せ、スポーティとラグジュアリーの高次元での融合というマセラティの魅力を余すところなく具現化したのがグレカーレだ。1948mmという全幅をクリアできるガレージさえあったら本気で欲しい。（岡崎五朗）



写真＝郡大二郎／小林俊樹／茂呂幸正／神村聖

（ENGINE2023年4月号）

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