2023.07.08

CARS

アイルトン・セナのF1マシンをはじめ、マクラーレンの名車が揃う創立60周年イベントが開催

イギリスのスーパースポーツカー・メーカー、マクラーレン・カーズの源流となるレーシング・チームかつコンストラクターのマクラーレンが2023年で設立60周年を迎えた。今回それを記念したイベントが東京・六本木ヒルズで開催される。

世界3大レースを唯一制覇

世界3大レースとして知られる、「F1モナコGP」、「ル・マン24時間レース」、「インディ500マイル」を制したチーム&コンストラクターは、長いモーターレーシングの歴史にあって1つしかない。それがマクラーレンだ。その歴史は、ブルース・マクラーレンという1人の若者の情熱から始まった。



1963年に自らのチームを設立

1937年にニュージーランドで生まれた彼は、9歳の時にペルテス病にかかり左足が短くなるハンディを負うものの、レース好きの父のもとで14歳の時にヒルクライム競技に出場する。その後、サーキットに活動の場を移したところで、オーストラリア人F1ドライバーであるジャック・ブラバムの目に止まった彼は、ニュージーランド国際GP協会のスカラシップ1期生として58年に渡英。59年に当時のトップ・チーム、クーパーにジャック・ブラバムのナンバー2ドライバーとして加入すると、最終戦アメリカGPで優勝。22歳104日という最年少記録優勝記録を打ち立て(この記録は、2004年のフェルディナンド・アロンソまで破られなかった)、一躍トップ・ドライバーへの仲間入りを果たしたのだった。

そして1963年、26歳で自身のチーム、ブルース・マクラーレン・モーターレーシングを設立したブルースは、66年にはコンストラクターとしての活動も開始。“パパイア・オレンジ”と呼ばれる母国ニュージーランドを象徴する色であるオレンジに彩られたマシンで、F1や北米Can-Amシリーズへの挑戦を開始する。

67年には自身の名を冠したマシンでF1優勝。そして同郷のデニス・ハルムとともに67年から70年にかけてCan-Am4連覇と勢いに乗っていたブルースだったが、70年6月2日、イギリス・グッドウッドで行われたCan-Amマシン、「M8D」のテスト中にクラッシュ。32歳の若さでこの世を去った。



マクラーレンを最初に買ったのはトヨタ!?

そんなマクラーレンと日本が不思議な縁で結ばれているのをご存じだろうか?

最初に関わりを持ったのは1965年。“ニッポン・レーシング”という英国チームのドライバーに招かれたブルースは、「いすゞ・ベレット・セダン」でグッドウッド・インターナショナル・セント・メアリーズ・トロフィーにエントリー。66年公開の映画『グランプリ』では、マクラーレン・チームが三船敏郎率いる日本のヤムラ・チームの役を演じた。

そして68年に富士スピードウェイで初開催された日本Can-Amでマーク・ダナヒューの「M6B」が優勝。翌年にはトヨタ自動車と黒澤レーシングが日本で初めて新車でCan-Amマシン「M12」を購入している。

その後、76年には映画『RUSH』の舞台にもなった雨のF1世界選手権イン・ジャパンで、マクラーレンM23のジェームス・ハントがチャンピオンを獲得した。そして88年からは、タッグを組んだホンダとF1シーンを席巻。アイルトン・セナ、アラン・プロストという2人のスターが巻き起こした様々なドラマを記憶している方も多いかもしれない。

そんな日本とマクラーレンとのハイライトは95年。関谷正徳、J.J.レート、Y.ダルマスの手により「F1 GTR」が初参戦、初優勝、そして日本人初優勝という快挙を成し遂げたことだろう。



新旧ロード・カーのほかF1マシンも

このように節目、節目で日本と関わりを持ってきたマクラーレンの創立60周年を祝うイベントが、7月8、9日にわたり東京・六本木ヒルズの大屋根プラザで開催されることになった。

それに先駆けて行われたプレス・プレビューには、「M6GT」、「F1」、「MP4-12C」(ベアシャシーを含む)、「GT」、「アルトゥーラ」といった新旧ロード・カーのほか、ホンダ・コレクション・ホール所蔵のF1マシンである88年型「MP4/4」と90年型「MP4/5B」を展示。また会場には、マクラーレン・オートモーディブ・リージョナルディレクターのポール・ハリス氏、ブランドアンバサダーのアダム・リーヴス氏も来日し、記念すべきアニバーサリー・イヤーを祝った。

なおM6GT、F1、MP4-12C、MP4/4、GT、アルトゥーラは2023年7月8日(土)~7月9日(日) 11:00~20:00 に、六本木ヒルズ・大屋根プラザで一般公開される。ぜひマクラーレン60年の歴史を体感していただきたい。



文=藤原よしお

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement