『ENGINE』9・10月号では「2023年、推しの1本はこれだ!」をテーマに時計を大特集(後篇)。編集部が信頼する時計ジャーナリストと目利きたちで結成したエンジン時計委員会のメンバーのみなさんに、時計好きとしての原点に立ち戻って、2023年のイチオシの時計について、その熱い想いを打ち明けてもらった。今回はタグ・ホイヤーから、オープンワークダイアルを初めて取り入れたモナコ クロノグラフの最新作を紹介する。
さらに増すスピード感
菅原 茂(時計ジャーナリスト)以前タグ・ホイヤーが富士スピードウェイで開催したイベントに参加したことがある。レーシングカーのスピードとスリルはいまも思い出す。タグ・ホイヤーのクロノグラフによく似合い、その存在感が際立つのはやっぱりこんなサーキットなのだなと思った。さて、「カレラ」と並ぶレーシングカー由来のクロノグラフ「モナコ」の最新作は、コレクション初の大胆なオープンワークダイアルが特色。このダイアルがチタンケースやムーブメントと相まって、疾走するレーシングカーのイメージを喚起させる演出だ。ハイテク感ゆえか、従来のデザインやガルフカラーをあしらったヴィンテージ・スタイルの「モナコ」よりもスピードを感じさせる。飛ばし屋にはお薦めかも。
手で触れてみるべし
本間恵子(ジュエリー&時計ジャーナリスト)本作は、写真で見るより実物を手に取った方が断然いい。見た目とはうらはらなチタニウムケースの軽快さ、プッシャーを押すときの心地よい手応え。第一印象はアヴァンギャルドなのだが、時計が好きな、時計をよくわかっている人が作ったものだということが肌に伝わってくる。実は以前、CEOのフレデリック・アルノー氏にインタビューすることになったときは、口から心臓が飛び出そうになった。だってLVMHグループのトップにして世界一の富豪の息子さんですよ。だが彼は自社の最新作をこの上なくうれしそうに身につけた、時計好きの好青年であった。時計が好きな人が時計をていねいに作っていくと、本作のようなものができあがるんだなあ。
これこそが勝利の時計
篠田哲生(時計ジャーナリスト)今年のF1はレッドブル・レーシングが最強。オーストリアGPまでの毎戦、ポディウムの一番上には、必ずレッドブル・レーシングのドライバーが立ってきた。そしてその腕元にあるのが、同チームのサポートを行うタグ・ホイヤーの角形ウォッチ「タグ・ホイヤー モナコ」だ。なにせ個性的な角形ケースなので、ちょっと見えるだけでもかなり目立っており、今年を代表する「勝ち運時計」となっている。しかもこのモデルはコレクション初のオープンワークを取り入れ、直線を基調としたモダンなデザインでさらなる個性を加えている。これは時計ファンにとってもモータースポーツ好きにとっても、今年の顔となる一本である。
タグ・ホイヤー
モナコ クロノグラフ
「モナコ」は、スティーブ・マックイーン主演の映画『栄光のル・マン』でも有名なモータースポーツが原点のレジェンド。最新作は、オープンワークダイアルを初めて取り入れたデザインや初代「モナコ」のブルーダイアルにインスピレーションを得たカラーリングが目を奪う。そしてハイテク感が際立つチタンのケースや高性能を誇る自社製ムーブメントのホイヤー02も見どころである。自動巻き。ケースサイズ39mm、100m防水。134万7500円。
問い合わせ=LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7054
写真=岡村昌宏 (2023年ENGINE9・10月号)
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