クルマ好きのゲストを迎え、「これまでに出会ったクルマの中で、人生を変えるような衝撃をもたらしてくれた1台」を聞くシリーズ、「わが人生のクルマのクルマ」。今回登場していただくのは、日本のファッション・テキスタイルブランド「minä perhonen(ミナ ペルホネン)」の創設者、皆川明さん。ミナ ペルホネンの洋服やバッグのように優しくて柔らかい物腰で大好きなクルマのことを語ってくれました。
1970年式のポルシェ911T
手描きの図案によるオリジナルのテキスタイル(生地)をもとに製作した洋服やバッグなどを販売する日本のファッション・テキスタイルブランド、ミナ ペルホネン。ホームページを開くと数多くの商品が並んでいた。とても温かみを感じる商品が多く、華やかななかにも繊細さがある。可愛らしい子供服もあって、2カ月前に生まれた孫にどうだろうと、ついつい見入ってしまった。

今回ご登場いただくのは、ミナ ペルホネンを立ち上げたデザイナー、皆川明さんだ。
皆川さんは撮影現場に黄色いナロー・ポルシェで現れた。
「これは1970年式のポルシェ911Tです。2023年に購入しました」
皆川さんの話し方はとても穏やかで、ミナ ペルホネンの商品に優しさを感じるのは人柄の表れなのだと思った。ちなみにミナ ペルホネンのテキスタイル図案は皆川さんやインハウスデザイナーによる手描きである。
「ポルシェ911にはいつか乗りたいと思っていました。乗るならタルガがいいなあと。現行型911に試乗もさせてもらったのですが、その時は機会を得られず。どうしようかなあと悩んでいるときに、知り合いのヴィンテージカー・ショップから“ナローが入庫しました”という連絡をもらったんです」
皆川さんはボディ・カラーとスタイリングに一目惚れしたという。
初めて乗ったナロー・ポルシェの印象はコンパクトで軽いというもの。
「エンジンの吹け上がりも気持ちがいいです。50年以上前にこんな性能のものがあったんだと感心しました。シトロエン2CVも持っているんですけど、対極にあるクルマですね」

実は2CVに乗ってここに来るつもりだったのだという。皆川さんにとって2CVはクルマ好きになるきっかけの1台だった。
「18歳のときにヨーロッパを旅したんです。フランスのホームステイ先の家族が2CVに乗っていたんです。国民車として作ったのに、こんなに素敵なデザインになるんだと驚きました」
帰国後、皆川さんが自分のおカネで初めて買ったクルマはシトロエン2CVだった。