2024.12.07

LIFESTYLE

洒落者の至福の時間 カクテルと一緒に靴磨きを! 昔ながらの嗜みをまとめて体験できる「ザ・シューシャイン・アンド・バー」

「ザ・シューシャイン・アンド・バー」東京都港区西新橋2丁目33-2 営業時間:シューシャイン/月~金11:30~20:30 土曜/11:00~19:00 日祝休 バー/月~金 16:00~23:00 土日祝休

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美しく艶を増していく靴を見ながら傾ける杯。アフター5の贅沢が明日への活力をチャージする。

日本が高度成長期の坂を上っていた頃、路上での靴磨きと仕事終わりの一杯は、共にビジネスマンを支える柱だった。前者は仕事へのモチベーションを、後者は仲間とのコミュニケーションを培った。だが、まず道路規制や職人の高齢化によって前者が激減し、後者もバブル崩壊やコロナ禍のリモートの結果、以前よりも確実に縮小している。もはやプロによる靴のケアと飲酒は、働く男にとってのルーティンではなくなった。

開発が著しい新虎通りに2019年オープン。ガラス張りのキューブを思わせる外観が夜景に映える。

そんな趨勢に抗うように、「ザ・シューシャイン・アンド・バー」が、2019年のオープン以来、連日働く男たちを惹きつけている。店は東京の新橋近く、再開発が進む新虎通り沿いにあり、靴磨きとバーがひとつになったユニークな形態だ。オーナーは長谷川裕也さん。実際に路上からキャリアをスタートし、高級シューシャインサービスの「Brift H(ブリフト・アッシュ)」を立ち上げた。もともと青山の本店では預かりだけでなく、カウンター越しに顧客の目の前で靴を磨く対面式を採用していたこともあり、バーとのコラボレーションはまさに慧眼だった。

東京都港区西新橋2丁目33-2 Tel.03-6452-8839 営業時間:シューシャイン/月~金11:30~20:30 土曜/11:00~19:00 日祝休 バー/月~金 16:00~23:00 土日祝休

異なる職人技のシナジー効果

靴磨きは長谷川さんの下で修業を積んだ上別府生さん、カクテルづくりは有名なバーでキャリアを重ねた日沖憲吾さんが担う。興味深いのは単に異業種の並列だけにとどまらず、靴と酒という男性がこだわるもの同士のケミストリーだ。



自分の靴がピカピカになるのを見ながらお酒を──洒落者にとってまさに至福の時間。そのうえ、靴をイメージソースにしたカクテルも供される。イタリア発祥のネグローニのカンパリをハーブリキュールのグランクラシコ・ビターに変えたザ・シューシャイン・ネグローニ、またジョン・ロブやオールデンといった老舗の名を冠したカクテルも見逃せない。上別府さんから日沖さんがブランドイメージをヒアリングして考案したのだという。好きなモデルを思い浮かべながら飲むのも乙だろう。



身嗜み、酒を嗜む。共に楽しみながらも節度を忘れないニュアンスがある。働き方は変わっても、働くことの粋は忘れたくない。輝きを増した靴と豊かな酒の味は、そんな意気をあらためて思い出させてくれそうだ。

文=酒向充英(KATANA) 写真=松崎浩之(INTO THE LIGHT)

(ENGINE2024年12月号)

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