2024.11.26

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シチズンがソーラー時計に土佐和紙を使う理由とは? これがザ・シチズン アイコニック ネイチャー コレクションの美しさの秘密!

エンジン時計委員、細田雄人のイチオシ ザ・シチズン アイコニック ネイチャー コレクション AQ4100-65H

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エンジン時計委員の“推しの国産時計”はこれだ! ヴィンテージの再解釈と最新ムーブメントとの融合、和の美に通じる凝った意匠のダイアル、そしてジャパン・メイドの高品質はいまや海外の時計愛好家たちをも魅了するまでになっている。

そんな時計好きを唸らせる「メイド・イン・ジャパン」の魅力的なモデルのなかから、今回はシチズンの美意識を凝縮した新作を紹介しよう。



エンジン時計委員、細田雄人のイチオシ
ザ・シチズン アイコニック ネイチャー コレクション AQ4100-65H

年差±5秒の高精度光発電エコ・ドライブムーブメント、土佐和紙を用いたダイアル、デュラテクト加工を施したスーパーチタニウムなど、「ザ・シチズン」にブランド独自の技術と美意識を凝縮。移ろいゆく自然の美しい情景をテーマにした新作のAQ4100-65Hでは、土佐清帳紙の簾の目模様を活かしたブルーグレーダイアルが風と砂が織りなす砂紋を表現。ケース直径38.3mm、10気圧防水。世界限定350本。44万円。

和紙ダイアルは技術力・発想力の賜物

光で発電するソーラー時計は文字盤下のソーラーセルに光を通す必要があるため、文字盤に金属が使用できないうえ、塗装も厚くは塗れない。この種の時計に高級感を与えることが困難だとされてきた理由だ。

しかし、ソーラー時計に長らく取り組んできた日本の各ブランドはそれぞれがポリカーボネート製の文字盤製造に関するノウハウを蓄積しており、同ジャンルの時計は“十八番”としている。

近年、スイスにも優れたモデルが出始めたが、それでもやはり文字盤表現においては国産ブランドに一日の長があるのではないか。

特にザ・シチズンの高価格帯モデルはその極致で、旗艦モデルに投入される文字盤製造の技術力、発想力は抜きん出ている。

その象徴とも言えるのが、ソーラーセルの受光を妨げないほど極薄な和紙を文字盤下に挟む手法。文字盤が透けてしまうというソーラー時計の性質を、和紙特有のテクスチャーを見せることに活かす。

弱点を強みに転じさせた、見識が光るアイディアだ。

文=細田雄人

(ENGINE2024年12月号)

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