いつもよりオシャレをして、大切な人と素敵な場所に出かける──。そんなときに選びたいのが、ハレの日に相応しいとっておきの腕時計だ。シックで品のいい3針や貴石をちりばめた煌びやかなモデル、さらにはスポーティなクロノグラフから遊び心あふれる個性派まで、身に着けるだけで“ドレッシーな気分”が高まる、15ブランドのタイムピースをセレクト。2025年初の時計選びには、ENGINE時計委員の注目ポイントも参考にして欲しい。
ENGINE時計委員の2025年のイチオシはこれ!
タグ・ホイヤー モナコ
グリーン、ピンク、ブルー……。豊富なバリエーションとカラー。ドレスアップの頼もしいパートナーだ。
タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ レーシンググリーン
映画『栄光のル・マン』(1971)で、スティーブ・マックイーンが着用し、伝説を築く名作「モナコ」。ケース左にリュウズを配した初期のデザインを現代に受け継ぐ限定モデルにモーターレーシングのカラーとして象徴的なグリーンを新たに採用した。サンレイ加工サテン仕上げのシルバーダイアルに並ぶスモールセコンドと30分積算計をグリーンで彩り、イエローのクロノグラフ針がアクセントを添える。表と裏にグリーンとイエローを組み合わせたパンチング加工のカーフレザーストラップも時計を引き立てる。自動巻き。グレード-2 チタン、ケース径39mm、100m防水。1000本限定。130万3500円。
タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ
幾何学デザインのオープンワークから高性能の自社製クロノグラフ・ムーブメント、キャリバーTH20-00を見せる新世代のモデルは、ブラックDLCコーティングを施したグレード-2チタンのケースに、サンドブラスト加工のスケルトンダイアルを組み合わせた斬新なスタイリングが特徴。写真左のダークブルーダイアルはクロノグラフ針と積算計の針をイエローで彩り、右のブラックダイアルはクロノグラフ針と積算計の針のみならず、インダイアルの枠やインデックスまでピンクで統一し、アヴァンギャルドな個性を強調する。自動巻き、約80時間パワーリザーブ。ケース径39mm、100m防水。【左】157万3000円。【右】予価160万6000円。
スーツにモナコがカッコいい
篠田哲生
先日、ファッション関係の友人と時計談義をしていたのだが、そこで出た結論は、「タグ・ホイヤー モナコは、大人になるほど価値がわかる時計である」ということだった。確かに1969年に生まれたデザインをほぼそのまま継承しているので、古いといわれれば古い。しかしそれでも惹かれてしまうのは、並ぶもののない強烈な個性があるからだ。こういった時計は、いい年齢の重ね方をしてきた大人が、正統派のスーツスタイルに合わせると格好がいい。タイムレスな腕元の時計が、貫禄があるけど、アヴァンギャルドさも忘れない魅力的な男に仕上げてくれるのだ。定番のブルーダイアル×逆リュウズもいいが、今だったら素材や色で遊ぶのも正解になるだろう。
選択に困る巧みな印象操作
高木教雄
オープンワーク・モデルは、個人的に尊敬しているキャロル・カザピ氏が手を加えた自社製ムーブメントを搭載する。一方のソリッドダイアルの新色は、汎用ムーブメントがベースではあるが、初代と同じ左リュウズ。機械にこだわるか、伝統のスタイルを採るか? 何とも悩ましい。ダイアルデザインの方向性がまったく異なるのに、ケースのフォルムを堅持してさえいれば、一目でモナコだと分かる。これぞまさしく、アイコンである。メゾンのアヴァンギャルドを象徴するコレクションではあるが、実はケースサイズは小振り。鮮やかなカラーリングとも相まってファッション上級者であれば、ドレッシィに着けこなせるはず。
豊富なバリエーションも魅力
数藤 健
ある高級時計メゾンのトップによれば「世界中の時計の85%はラウンド(円形)ケース」なのだそう。希少かつ貴重なスクエアケースを持つ、タグ・ホイヤーの金看板モデルが「モナコ」だ。防水機能を持つ世界初のスクエアケース・ウォッチとして1969年に登場し、今も新作・限定・特別エディションが続々と発表されている。現行モデルが15本以上あることからも、同社のこのモデルへの思い入れがわかる。ちなみにタグ・ホイヤーは2011年からF1モナコ・グランプリの公式ウォッチ・パートナー。名称や出自・背景に違わず、文字盤がクラシカルなモデルもスポーティなモデルもそこはかとない上品さが漂い、ドレッシーな服装にも似合うのも魅力だ。
現代アートとともに
細田雄人
ピケレ製防水ケースを携えて登場したスクエア型の「モナコ」。1970年代デザインの先駆けとも言えるその造形はデビュー時ですでに完成されており、登場以来50年以上姿を変えていない。そんなモナコに新風を吹き込んでいるのが、23年から展開されているオープンワーク文字盤だ。クラシカルなモナコにアヴァンギャルドなキャラクターを付与した掲載モデルは、その見た目とは裏腹にオールラウンダーで、どんな服装にも意外とマッチする。しかし、クラシックとして定着したモナコのデザインをあえて崩してまでモダンさを強調した同作を着けるのだから、やはり着用シーンは考えたい。例えば、現代アートを堪能できるMOTや金沢21世紀美術館などに着けていくと面白いかも。
問い合わせ=LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7030
写真=奥山栄一 スタイリング=梶本美代子
(ENGINE2025年1月号)
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