2024.12.31

CARS

清水草一の自動車10大ニュース 5位は売れて、そして盗まれた、あの超人気車種が登場

2024年に自動車業界で起こった出来事の中から、清水草一氏が心に残ったものを10つ選び、ランキング形式でお伝えします。10位から6位に続き、5位に選んだのはトヨタ・ランドクルーザー(ランクル)シリーズの躍進だ。

引き続き、クルマ好きがお送りします

ただのクルマ好きがお送りする、2024年の自動車関連10大ニュース。本日は第5位の発表です。



第5位 ランクル一家が売れた! そして盗まれた!

2024年はランクル祭りと言ってもいい年だった。2023年11月の70(ナナマル)の復活に続いて、4月に250が発売。2021年に発売されたランクル・シリーズのフラッグシップ・300、その姉妹車のレクサスLXと合わせると、4モデル揃い踏みとなった。

しかも、そのどれもが実質売り切れで納車待ち数年という、フェラーリやランボルギーニ並みの状況なのだから凄いじゃないか。



スーパーカーの友

とあるスーパーカーコレクターは、ランクル300を3台所有されているという。「ビニール傘みたいに、いろんなところに置いておきたいんです」という理由で。ランクルのブランド力は、少なくともスーパーカーのビニール傘……いや、スーパーカーの友レベルにまで上昇している。

ランクルはもともと、選ばれし者だけが乗る特別な超本格クロスカントリー車だったが、現在は「カッコいいから」という単純な理由で選ばれるケースが多い。メルセデスGクラス化である。乗り味は実に文化的で快適で、それでいて超本格派。用途は、前述のようにスーパーカーの友から、一般家庭の日常の足まで幅広い。



うなぎ上りの販売台数

販売台数もうなぎ上りで、2024年10月には5549台が登録され、国内販売ランキングの第10位に入線した。アルファードの背中が見えるところまで迫っているのである。内訳は以下の通りだ。

ランクル250/4350台
ランクル300/860台
ランクル70/300台
レクサスLX/98台

250が圧倒的な人気を集めているように見えるが、どれも生産が追いつかないので、人気の実態はよくわからない。ともかく日本はランクル祭りなのである。

2025年は、レクサスGXも加わり、ランクル一家は5モデルに増殖。かつてのカローラ一家のような量販ファミリーに成長するかもしれない。



盗難車ランキングでも常に上位

ランクルと言えば、盗難車ランキングでも常に上位に入線している。警察庁が2024年に発表した自動車盗難等の発生状況(2023年の実績)によると、盗難台数の1位はアルファード(700台)、2位ランドクルーザー(643台)、3位プリウス(428台)、4位レクサスLX(261台)。ベスト4のうち2つをランクル・ファミリーが占めた。

アルファードやプリウスは登録台数が非常に多いので、盗難率で見ればランクル・ファミリーが圧倒的。中でもレクサスLXの盗難率は、他を大きく引き離している。1000台あたりの盗難台数ベスト3は以下の通りだ。

第1位 レクサスLX/32.7台
第2位 ランドクルーザー/2.2台
第3位 アルファード、レクサスLS/0.9台

レクサスLXの「1000台あたり32.7台」というのは、つまり3%以上の確率で盗まれたわけで、天文学的な高さと言わねばならない。日本国内の自動車平均盗難率は0.01%前後。その3000倍なのだから驚きだ。生半可な覚悟じゃ買えないぜ! まさにランクル祭り。



文=清水草一

(ENGINE WEBオリジナル)

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