2025.01.27

CARS

BYDがEV一本足打法から脱却 年内導入のPHEVを含め、2027年までに7、8車種へとラインアップを拡大

2024年1月24日、中国の自動車メーカーであるBYDジャパンは2025年の事業方針発表会を開催。今後の方針などについて説明した。東京・お台場にあるインドア・レジャー・カート施設のシティサーキット東京ベイで開催された今回の発表会。参加者数が非常に多いということで、事前に注意喚起されるほど規模、実際に着席しきれず立ち見となった参加者も見かけられた。

新型EVバスで登場

プレゼンテーションのビデオが流れた後、舞台上手より今回の目玉のひとつである日本向けに専用開発された新型EVバスの「J7」が登場。続いて下手より、東京オートサロン2025で日本初公開が行われたSUVタイプの新型EVである「シーライオン7」が登場した。J7にはBYDジャパン代表取締役社長の劉 学亮氏、商用車担当の執行役員副社長である石井澄人氏、BYD製乗用車の販売などを行うBYDオートジャパン代表取締役社長の東福寺厚樹氏という今回のプレゼンター3人が乗車していた。



PHEVとEVトラックを導入

発表会は社長の劉氏によるプレゼンテーションから始まった。今年はBYDジャパン創立20周年、EVバスで日本市場に参入してから10年、乗用車を日本に導入してから3年という年であることを紹介したのちに、これまでのBYD社の経緯を説明。そのなかでBYDグループは全世界に100万人の従業員がいること、6大陸、100以上の国と地域に事業体が存在することなどが紹介され、同社の規模を改めて知ることになった。

2022年に「アット3」、「ドルフィン」、「シール」の3車種の乗用車を発表し、2023年はジャパン・モビリティショーに中国メーカーとして初出展するなど、日本での存在感を増してきたと語る劉氏は、現在59カ所の販売拠点を設けているが年内には100店舗展開にすることを表明した。さらに今回の発表会の中で最大のトピックとなった2025年中にPHEV(プラグイン・ハイブリッド)モデルを投入することを宣言。2026年までにEVトラックを投入することも発表した。



日本専用の中型EVバスを投入

続いて商用車担当の石井氏が登壇。2024年のBYDのグローバル販売台数は427万台で、初めて400万台を突破したが、そのうち商用車が2万2000台を占めることを明らかにした。この台数は前年比約9割増しという驚異的な数値となる。BYDの商用車はさまざまなサイズのバス&トラック、そして空港作業車やゴミ収集車などの特殊車両も豊富で、EVバスとEVトラックは累計で約13万台もの販売台数を記録している。

日本では小型EVバスの「J6」と大型EVバスの「K8」の2モデルを販売しているが、2025年における商用車部門のトピックは、新たに導入する中型バスのJ7だ。2025年内より納車を開始する予定だという。J7は日本の道路事情に合わせた車幅2.3mの日本専用モデルで、全長は約9m、全高は約3.3mというサイズを持つ。乗車定員は最大61人で、192.5kWhのリン酸リチウムイオン・バッテリーを搭載し、航続距離は約250kmとなる。劉氏の発表の補足として、EVトラックの発売の時期車種仕様や価格についてはまだ確定していないが、今秋には新たな情報を提供するとアナウンスした。



PHEVはジャパン・モビリティショーでお披露目か

さて、最も注目すべき乗用車については、BYDジャパンオートの東福寺氏が説明を担当。2024年のグローバル販売台数は2023年の301万台から425万台へとプラス41%の成長を遂げ、日本においても2024年はドルフィン、アット3、シールの3機種が出そろったことで5割増しとなる2223台を記録、累計販売台数も4000台弱となった。

乗用車でのトピックスは、2025年4月に発表発売されるシーライオン7と、そして劉氏の口から公言されたPHEVの追加だ。シーライオン7についてはオートサロンでお披露目した4WDモデル以外に、後輪駆動の2WDモデルも導入されることが明らかになった。また注目のPHEVについては、どのようなモデルで導入するかを含め、詳細は未定。また発表は2025年内に行うものの、発売については遅れる可能性があることを示唆した。2023年に続き、2025年10月末から開催される2025年のジャパン・モビリティショーにも出展するということなので、その時にPHEVの展示を行うかもしれない。

BYDジャパンオートでは毎年1モデル以上の新型車を投入すると宣言しているが、今後はバッテリーEVのみというラインアップではなく、世界潮流に従ったPHEVを加えることで2つの軸を持たせるという。この後、2027年ごろまでは新しいクルマの投入を続け、7ないし8のモデルのラインアップをそろえていくとのことであった。



文=諸星陽一

(ENGINE WEBオリジナル)

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