1970年にジムニーが誕生して55年、ついにシリーズ初となる5ドア・モデルである「ジムニー・ノマド」が登場した。待望のモデルということもあってか注文が殺到。残念ながら、4日間という驚くほど短い期間で受注停止となってしまったのは先日お伝えした通りだ。
1971年にはアメリカへ輸出開始ジムニーは1971年には早くもアメリカに輸出されている。「ブルート」の名前が使われたこのモデルは、なんと当時の軽自動車の規格のまま、360ccの2サイクル・エンジンを積んだモデルだった。その後、エンジンは800ccの4サイクルに変更されている。
多彩なバリエーションを設定デビュー以降、世代交代や軽規格の変更、海外市場での要望など、様々な変化に対応してきたジムニーには、実はさまざまなバリエーションがあるのだ。
日本仕様だけに限ってもそのバリエーションは豊富。当初ジムニーは商用モデル(軽貨物自動車)としてデビューし、その後、乗用モデルが追加され、商用と乗用が混在していた。しかし、現在は乗用モデルだけなっている。
エンジン・ラインナップは基本2種類ボディ・タイプもジープ・タイプの原型と言ってもいい幌屋根をはじめ、現行型のようなバン・スタイル、バン・スタイルをベースにルーフをかさ上げして採光部を追加したパノラミックルーフ、運転席後部を荷台にしたトラック(小型車のみ)など、シンプルなラインナップになった今では考えられないようなモデルも存在した。
エンジンは軽規格用と初代途中から追加された小型車枠用の2種類を歴代モデルに用意。ただし、排気量は時代によって変遷があり、軽規格用は360ccでスタートし、その後、軽規格の変更により550cc、660ccへ、小型車枠用は800ccからはじまり、1.0リッター、1.3リッター、そして1.5リッターへと拡大している。
反響次第では、増えるかも今回発表会の会場で役員をはじめ何人かのスズキ関係者に「以前のようなちょっと変わったモデルもいいですよね」と問いかけたところ、「私は幌が好きだった」とか「なんといってもトラックいいですよね」というようなお話をいただけた。そしてそうしたお答えのあとに「でも、買っていただけるかな?」と続いてしまう。
せめて夢でもいいから、モーターショーなどで展示車を見せてほしい、そして来場者が声を上げれば、もしかしたら実現するのかもしれないと思いを馳せた。

文=諸星陽一
(ENGINE WEBオリジナル)