2025.02.22

CARS

満タンで1000km走る注目のスバル・クロストレックのフル・ハイブリッドを冬の青森でテスト モータージャーナリストの高平高輝が試乗

スバル各車の燃費は10km/リッター前後というのが相場だったが、このクロストレックS:HEVだけは明らかに別格。

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ワンタンクで1000km

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格段に出力アップしたモーターの効果は明らかで、おとなしく走る場合にはスロットル・ペダルを深く踏み込む必要はなく、またエンジンが始動してもトルクの余裕で開度は小さく、それゆえに洗練されている印象だ。

S:HEVはディープスノー/マッドなど3種類のドライブ・モードを持つXモードを備えていることも特長。深雪モードを選び圧雪路の駐車場で急加速を試してみると、ほとんど姿勢を乱さずにホイールスピンも最小限で力強く加速して見せた。同じ場所で試したレイバックより明らかに安定していたのである。



雪道での走行性能よりも気になるのは実用燃費かもしれない。

下り坂が奏功したことは間違いないが、標高約900mの酸ヶ湯温泉から黒石市経由で青森市内のホテルまで、一部高速道路を使って戻った行程の平均燃費は車載燃費計で19.9km/リッター(ちなみにカタログ値は18.9km/リッター)。スバル車ではかつて見たことのない優秀な数字である。

クロストレックS:HEVは燃料タンク容量も63リッターに拡大されているから、高速道路を走れば少なめに見積もってもいわゆるワンタンクで1000kmほどの航続距離を持つことになる。スバル各車は10km/リッター前後というのが相場だったが、このクロストレックS:HEVだけは明らかに別格だ。



いっぽうレヴォーグ・レイバックは2023年10月に発売された都会派クロスオーバーを謳う派生モデルである。

ベースとなったレヴォーグから車高を70mm上げて(地上高は55mmアップの200mm)SUV風味を加え、ステーションワゴンよりもSUV、スポーティよりもリラックスを求める大人のユーザーを狙ったモデルとされる。

エンジンは1.8リッター水平対向4気筒ターボ(177ps/300Nm)で、リニアトロニックCVTの4WDのみ。乗ればなるほどレヴォーグほどスポーツ志向ではなく、特に雪国などではオールラウンダーとして活躍できそうだが、内装や乗り心地などをもう少し思い切ってラグジュアリーに寄せても良かったのではないかと感じた。そう思うほど全体的にクロストレックS:HEVのほうが洗練度が高かったのである。

文=高平高輝 写真=スバル

(ENGINE2025年4月号)

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