今年もやりました2025年版「エンジン・ガイシャ大試乗会」。大磯プリンスホテルの大駐車場に集めた注目の総勢33台の輸入車にモータージャーナリスト33人が試乗! 世界の自動車業界が大変革期の真っ只中にある今、各メーカーがこの上半期にイチオシするそれぞれのニューモデルに5人のジャーナリストが試乗。計165本の2025年注目輸入車の試乗記を順次公開。
ケータハム・スーパーセブン600には、佐野弘宗さん、斎藤慎輔さん、関耕一郎さん、藤原よしおさん、小沢コージさんが試乗。今回は藤原さん、小沢さんの「ここがスゴイ」リポートをお届けする。
「マジ、最高!」藤原よしお「所詮軽自動車でしょ?」と食わず嫌いでいるのは大間違い。95psのフォード・コスワース116Eを積んだロータス・スーパーセブンS2の車重は469kg。このケータハム・スーパーセブン600は85psで440kg。まさに現代に蘇ったオリジナル・セブン!
しかも試乗車はクラムシェル・フェンダーに、モトリタ・ステアリング、フルーテッド・レザーシート、カーペットなどが備わり、見た目もシックでクラシカル。それだけでも十分にエンスー心がくすぐられる。

ターボ・ラグもなくイエローゾーンのはじまる6000rpmまでシューンと鋭く吹け上がるエンジンは扱いやすいし、ストロークの短い5段MTはコキコキと気持ちいい。
ハンドリングはシャープかつダイレクトで、公道を走る合法フォーミュラカーという表現がぴったり。
しかも155/65R14サイズの細いタイヤが妙味の1つで、お尻でグリップを感じながらブンブン振りまわして楽しめる。しかも絶対速度域が高くないからいろんな意味でセーフティーかつヘルシー。マジ最高。イエイ。
「現代スポーツの比じゃない」小沢コージ徹底的に人馬一体、人がクルマと同化して走りたいならマツダ・ロードスター、1960年代の英国人になりきりたいクルマ文化人にはモーガンがあるが、どちらも同時に得たいならコレしかない。スーパーセブンだ。
正直、衝突安全的に今の世界じゃ作れない。歴史を重んじるイギリスだから作れるオキテ破りの古典ピュア・スポーツで、空力的洗練はモーガン以上にない。
全面フラットガラスのウィンド・スクリーンは乗り降りで手をかけると歪み、細めのノーズで足元は超狭い。厚底靴だとブレーキとアクセルを同時に踏みそうだ。

クラッチは重めでシフトはカッチリしているが動きは渋くストロークが短すぎるので馴れがいる。
パイプ・フレームはロードスターに負けるが高剛性で、スズキ製658ccターボは85psなので非力だがなんせ440kgという非合法ギリギリの軽さ。速さと臨場感は現代スポーツの比じゃない。
タイヤ太めでステアリング重めでフィールこそ粘るがまるで裸で町を走るが如き一体感。しかもコレが軽なんてちょっとヤバい。
■ケータハム・スーパーセブン600スーパーセブン1600やセブン・スプリントおよびスーパー・スプリントに続くクラシカルな仕立てのセブン。クラムシェル・フェンダーを採用し、標準のアルミ+4色に加えてスーパーセブン専用の11色の車体色を選択可能。フロントに最高出力85ps/6500rpm、最大トルク11.8kg m/4000-4500rpmを発揮するスズキ製の658cc直列3気筒ターボ・ユニットを搭載し、5段MTを介して後輪を駆動する。全長×全幅×全高=3380×1470×1090mm。ホイールベース=2225mm。車両乾燥重量=440kg。車両本体価格=866万8000円。
写真=神村聖/小林俊樹/茂呂幸正
◆ケータハム・スーパーセブン600に試乗した佐野弘宗さん、斎藤慎輔さん、関耕一郎さんの「ここがスゴイ」はこちら(ENGINE2025年4月号)