4月上旬にスイスで開催されたWatches & Wonders Geneva(W&WG)にてお披露目されたモデルを中心にENGINE時計委員が注目モデルをセレクト。今回は、その美しさに目を奪われる薄型手巻きトゥールビヨンのオクト フィニッシモ トゥールビヨンを紹介する。
とにかく美しいマーブルをひたすら眺めていたい
今年は不透明な宝石、ハードストーンを文字盤にした時計が目を引いたが、深いグリーンの大理石をあしらった本作には思わず心が奪われた。
イエローゴールドと大理石のグリーンが鮮やかなカラーコントラストを成しつつ、文字盤とアリゲーターストラップの色が憎いくらいにぴったりと合っている。
使用されたのは、ヴェルデ・アルピと呼ばれる蛇紋岩の一種で、白い方解石がうっすら混じり、文字盤に豊かな陰影を描き出している。この大理石は、2年前の「オンリーウォッチ」チャリティーオークションに出品されたブルガリのユニークピース──文字盤だけでなく、ベゼルやブレスレットまですべてヴェルデ・アルピで仕立てた彫刻のようなウォッチを思い出させる。

本作は極薄ムーブメントを用いたフライングトゥールビヨンであり、メカニズム的にも語りどころは多いのだが、それはガチ時計ジャーナリストの諸兄に譲るとして、筆者はただひたすらこの美しい大理石を眺めていたいのである。
ブルガリ オクト フィニッシモ トゥールビヨン
2023年に発表された「オクト フィニッシモ トゥールビヨン マーブル」から想を得て、ダイアルにグリーンのヴェルデ・アルピ大理石を採用する新作を発表。
その美しい模様と色を一段と引き立てるのが、「オクト フィニッシモ」独特の構築的なケース。大理石とイエローゴールドが生み出す印象は、まさに洗練されたジュエリー。
厚さ1.95mmという自社製超薄型の手巻きトゥールビヨンムーブメントもオートオルロジュリーにおけるブルガリの卓越した技術を証明する。ケース径40mm、厚さ5.5mm、3気圧防水。6月発売予定。価格要問合せ。
問い合わせ=ブルガリ ジャパン Tel.0120-030-142
文=本間恵子
(ENGINE2025年7月号)